ある日の俺と彼女 8/31?


自分の彼氏を、あらゆる理由付けでTSさせる彼女
そんなバカップルのゆるい会話シリーズです

ある日の俺と彼女 8/31


「八月三十一日といえば、たまりに溜まった宿題の片付けよね!」
 そういって、恋人は両手に大量のテキストを抱え俺の部屋にやってきた。
 ……なぜか、セーラー服姿で。
「……色々突っ込みどころがあるんだが」
「ん? どうぞどうぞ」
「俺らの大学は明日もまだ夏季休講なんだが?」
「小中高のティーンズは今日の今頃、阿鼻叫喚しているに違いないわっ!」
「小中高に合わせたカレンダーになっているのかお前は」
 よし、ジャブ終了。
「で、だ。……なんでセーラー服?」
「高校時代のだよ? んっふっふー、私もまだまだイケルっしょ?」
「いや、そうじゃなくてな」
 そりゃあ、まだ高校卒業してから何年も経っていないんだし、違和感は特にない。
 もっとも、似合う似合わないはともかく二十歳を超えてセーラー服を着ようっていうその度胸が凄いわけだが。
「宿題を片付けるっていうのは百歩譲ってよしとしよう。でも、なんでそんな格好をする必要がある?」
「何事も、雰囲気って大事じゃない?」
「ほとんどの高校生はわざわざ制服着て宿題をしようとはしないんじゃないか?」
「何事も雰囲気って大事よね!」
「……そーだな」
 まあ、可愛いし。
 俺が彼女と出会ったのって、大学に入ってからだし。制服姿を見るのはコレが初めてだ。
「はいはい、そんなことより宿題宿題。あなたは化学と科学と生物をお願いね。あ、あと数学も」
「理系ばっかり押し付けるなっ! っていうかこのテキスト高校のか!?」
 裏表紙を見れば、本の隅に3-1という数字と彼女の名前が書いてある。……私物か。
「雰囲気って大事よねッ!」
「それはもういい」
 まあ、高校時代の勉強なんて実際かなり忘れているし。
 復習がてら自分の学力を見直すのもいいかもしれない。
「それじゃあ、私は自由課題の続きを……」
「をい」
 学力関係ねぇのキタ。
「だぁってぇー、数学やってると眠くなるんだもん。2,3,5,7,11とか3.1415926535とか、覚えて何の意味があるの?」
「とりあえずお前、数学担当な」
 スラスラとわけのわからん数字言いやがって。イヤミか。
「え~」
「えーじゃない」
「だぁって、勉強してると眠くなるんだもん、私」
「ずいぶんとお約束だなマイ彼女。いいから、やろうぜ」
 彼女から手渡された数学テキストを元の持ち主に押し付け、俺は化学を開いた。
 ……なんか薬品名にあちこちラインが引かれているけど、気にしないでおく。
***
 ……なんか、生物のテキストには雌雄同体に二重丸がしてあった。
***
 ……『脳と電気信号』とかいう謎のレポートが挟まっていた科学のテキストを眺めていたときだった。
「くー……」
「んあ?」
 彼女がノートを広げたまま寝ていた。
 ……時間はそろそろ日付の変わる時刻。
 このアパートの一室には、俺と彼女のみ。ついでに俺らは恋人同士。
 おあつらえ向きにセーラー服のコスプレ済み。
「……信用してくれてるのはいいけどさ」
 無防備すぎやしませんかね、マイ彼女。
「ん?」
 彼女の寝顔をしばらく複雑な気分で眺めていると、ふと、彼女の取り掛かっていたノートに目がいった。
 『7/20 今日は海っていうか産みの日だから、彼を女にして出産記念日にしようと思った』
「うぉい」
 不穏すぎる文字列に思わずツッコミが入る。
 そして、気がつけば俺は彼女のノートを手元に手繰り寄せていた。

 『7/20 今日は海っていうか産みの日だから、彼を女にして出産記念日にしようと思った。でも無から子供を作れるほど私の力はない。今日は彼に、あぶない水着を着させることで満足しよう』

 『7/24 今日はアナログ放送終了の日。『あなたと私の記録(ログ)』を改ざん出来る日。略して、アナログの日。にして過去をいじろうか、それとも『地球人でじこ化』計画発動の日。略して地デジ化の日。にしようか悩んでいるうちに日付が変わってしまった。残念』

 『8/12/13/14 今日はお祭りだけど、ウチは落選してしまった。つまんないから寝る』
 『8/15 終戦記念日だけど特にうまい女体化理由が思いつかない。つまんないから寝る』
 『八月は甲子園やっている。でも寝る』

「三日坊主かッ!」
「ひゃっ!?」
 日記らしき不穏な紙媒体に突っ込みを入れると、彼女がびくりと肩を震わせ飛び起きた。
「んにゅ……どうしたの、ダーリン」
「お前さ、もしかして夏休み中こんなこと考えていたのか?」
「ふぇ? って、ああーーー! それ私の自由課題!」
「課題!?」
 これほど提出されてどうしたら良いものか不明な課題も珍しいなッ。
「失礼ね。『彼氏を彼女にする四十二日間の動向と考察』っていう、れっきとした論文よ。最初だけちょっと書いてすぐ飽きたから、いまいろいろ捏造中」
「ひまわりの観察日記みたいなノリで俺の四十二日間を捏造すんなぁっ!」
「もー、とにかく返してよソレ。書き終わったら、ちゃんと『実際のこと』として歴史改ざんするからさ」
 返したくなる理由が欠片もないことに気付けマイ彼女。
「こんなノートは燃やすに限るな。花火の燃料にちょうどいい」
「…………ん、いいね。夏の風物詩だもんね、花火」
「?」
 妙に素直だった。
 いつもなら、横暴だーとかいってもうちょっと絡んでくるかと思ったのだが。
「あ、どうせならご近所の皆さんも誘って一緒に花火とかっ。うん、いい考えっ」
「いまの格好を思い出せマイ彼女!」
 自分の彼女にセーラー服着せてたなんて誤解されたら俺のアパートでの評価が一気に下落するわっ!
 ……っていうか、もう日付も変わっているような時間に人ン家に乗り込もうとするなぁっ!


***余談

 『8/31 セーラー服を着て学生気分を演出し、彼と結ばれる。
 行為終了後、寝物語に彼が学生時代の私を想像。いい機会だから、彼の意識を過去の私にダイブさせる。……予定』
 
 『考察:彼の意識が過去の『私』に入った瞬間、現在の私が過去より連綿と培われてきた『私』である保証はどこにもない。
    以上のことから、過去をいじる行為は未来を垣間見る行為と違って危険性が高いと判断。
    タイムトラベル能力の発現は控えるようにする』





イチャイチャしてばかりで全然TSしていない件
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