TSアパート8

それぞれの事情からTS中なアパートの住人との日常会話的な短編です
荒唐無稽注意

TSアパート・203号室 その2

「HAHAHA、ロスじゃこんなの日常茶飯事だぜ!」
「イエーッ! さっすがターミィ! そこに痺れる憧れるぅ」
 強風の中、無駄にハイテンションなバカ二人が土砂降りの駐車場で撮影会を行っていた。
 というかそこにいると邪魔なんだが。車が入れられん。しまいには轢くぞ、未来から来た自称殺し屋ドール。
「水も滴るいい女という言葉があるけど、僕のターミィはずぶ濡れでも素晴らしいね!」
「くく、これしきのハリケーンで駄目になるようではターミネーター失格だからな! オレの性能を思い知ったか!」
「おーい、車庫入れしたいからさ。そこどいてくれ」
 ほっといたらいつまでもどきそうにないので、仕方なくクラクションを押す。
 すると、ようやく俺の車に気付いてくれたのか、二人がこちらを振り向いた。
「ふふっ、飛んで火にいる夏の虫とはこのことだよ、ターミィ」
「YES!YES!YES!YES! いまこそ管理人を脳殺するときだなッ!?」
「そうさッ! さぁターミィ、その濡れた肢体を見せ付けろ!」
「ラジャー! マスターに、管理人の血に濡れた死体を見せ付ける!」
 言うが早いかターミィは車のボンネットに飛び乗り、フロントガラスに顔を近づけてきた。
 そして────
「ハァ~」
 と、息をフロントガラスに吹きかけると、白く曇った部分に、指で文字を書き出した。
 『 ス キ 』
「……」
「くくっ、声も出まい! これぞ、雨降りの曇りガラス越しのメッセージ作戦!」
 作戦名長ぇ。
「さあ、一気に勝負をかけろ、ターミィ!」
「ラジャー! うおおおおおおおおおお!」
 何が起こっているのかはよくわからんが、二人がテンションを上げるとフロントガラスが全面真っ白になってしまった。
 車内より外の方が温度が高いとでもいうのか。熱暴走でもしてんのか、人形の分際で。
 あっけに取られているうちに、キュキュキュとガラスに文字が書かれていく。
 『ヤチン ネサゲシテ』
 曇りガラスの向こうでは、見た目美少女の殺し屋ドールがびしょ濡れになって切なげに微笑んでいる。
 が、俺はそんなことは気にせず、ワイパーのスイッチを押した。
「ああっ! オレのレイン・ライティングが!」
 機械的に振り子運動をするワイパーの功績で、フロントガラスはあっという間に本来の透明度を取り戻す。
 もちろん、文字なんて残っているワケがない。
「いーからどけ、お前ら」

「ドラマチックに攻めてもダメかぁっ! ならばターミィ、より性的になるんだ!」
「了解! マスターに従い、管理人の政敵になる! 政治活動はマスターに一任する!」
 202号室の殺し屋とその主人は、雨の日でも暑苦しい。




じめじめしてやった。反省はしていない
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

巫

Author:巫

・TS好きのはしくれ
・小説モドキを主に不法投棄します
・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

・当ブログのリンクはご自由にどうぞ
・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
管理者の詳細

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
FC2投票
無料アクセス解析
応援バナー
ちぇ~んじ!~あの娘になってクンクンペロペロ~
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR