ネコス4

相変わらず薄い中身ですが、今回は入れ替わりモノです。


ネコス ~恋人編


 みなさまこんにちは。
 あなたの変身願望を叶える「ネコス」の看板娘兼マスターです。看板娘だから当然、美人です。
 学徒どもはもう夏休みに入ったのでしょう。最近、若いカップルがウチにやってきます。
 特に、ストロー二本をつけて一つのジュースを提供する新メニュー、通称「オレオマ・トロピカル」が人気です。
 このオレオマは、一緒に飲んだ人間の心と体が入れ替わるという飲み物でして、カップル専用となっています。
 効果時間はブレンドと同じく三分間ですが、性……青少年たちは、それでも十分に楽しんでいるようで何よりです。
「うわぁ、あ、あなたの目線って、こんな風になってるんだ……」
「え……あ、あー? おおおっ、お、俺が、俺の声が女に……」
 さっそく、オカマと乱暴な女の子の声が聞こえてきました。
 さてさて、今回のカップルさんはどんなことをするのでしょう。
 えろえろならば、是非私も混ぜて欲しいのですが。うふふっ。


「わぁ……すごい。すごいよっ。よく見える! あははっ。こんなによく景色が見えたの、久しぶり!」
「うわ……ほとんど何がなんだかわかんねー……。お前、よくこんな視力で普通に出来るよな」
 どうやら、視力の弱い女のために、男は体ごと貸してやった……という感じですか。
 ラブストーリー仕立てウゼェです。レーシックでも受けてろバカップル。とは、思っていても口に出しません。
 なんてったって私、視力0.2の美人マスターですから!
「うふふ、改めてみると、私って、いい線いってるよね」
「へ? う、うわっ」
 おぉっ?
 元弱視少女の男が、元男の弱視少女に顔を寄せました。
「おま、近っ、近い近い近い」
「ねぇ、い、いいよね? キス……しちゃっても」
「お、俺は自分とキスなんかしたくないーーっ」
 キターーーッ!
 構図的には男が嫌がる少女の唇に無理やり迫っているわけですけど、気にしません!
 中身が逆だと知っていれば、そんな構図にも萌えるのです!
 私はカウンターから身を乗り出し、目をぎらぎらさせながら二人の行く末を見守ります。
「あ……」
 どうしたのでしょう。突然、元少女の男の動きが止まりました。
 私が首を傾げる間もなく、二人は急速に離れ、気まずそうにお互いあさっての方向を見ています。
「ご、ごめんね。あたし……」
「い、いや……」
 女の子が謝り、男が照れくさそうに自分の頬を掻く。
 ああ、なるほど。時間切れですか。元に戻ったんですね、二人とも。
「その……せっかく、私のためにこんなことしてくれたのに……見えることにうれしくて……つい」
「あー、その、なんだ」
「ごめん。嫌いになった、よね」
「俺は……男として、お前に、キスしたかった」
「え」
 …………砂、吐いてもいいですか。
 ウザ過ぎます。思春期の特権という奴でしょうか。お店でイチャラブ話を展開させんじゃねぇです。
 二人は、照れくさそうにしながら、やがて男が女の子の手を握りお店を出て行きました。
 テーブルの上には、オレオマの代金だけがぽつんと残されています。
「…………くすん」
 今日も美人マスターは孤独でした。

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