ネコス34

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています

ネコス34

 みなさまこんばんは。変身喫茶「ネコス」の美人マスターです。咳をしても独りです。
 別に風邪は引いていませんが真夜中の喫茶店は昼間と違って少々恐ろしいと思います。


「というわけで、営業時間も終わりましたので、いつもの日課を始めます」
 私は今日の残り物をお店の裏口にもって行きます。
 ドアを開けると、なんということでしょう。垣根の中からぞろぞろと野良猫さんたちが寄って来るではありませんか。
「あははー、いやしんぼめっ」
 言葉とは裏腹に、私は笑顔で猫さんにえさをばら撒きます。
 にゃーにゃーと鳴いて私の足元に群がる猫さんたちの、なんとかわいいことか。
 閉店後のネコスは私独りですが、この子達がいればもう何も怖くないです。
「にゃー」
「むむっ」
 一際特徴的な鳴き声が、私の耳をぴくぴく揺らします。
 きやがりましたか、オスの三毛猫、黄吉!
「にゃー」
「ああもう、かわいいですねこのヤロウ!」
 以前、イタズラ心で人化させたときは「wwww」とか語尾について回るとっても残念な口調の猫耳美少女になった黄吉ですが、猫のときはそんな口調、まったくうかがわせません。
 っていうか、ぬこ超可愛いです。反則です。
「にゃ」
 黄吉はきょろきょろと辺りを見回し、誰かを探している様子を見せます。
 そういえばウチの青葉ちゃんに何度かころころされているんですよね、この猫。
 そのたびに加害者の青葉ちゃんに憑依して、なんかえろいことやっているみたいですけど。はっきりいって、うらやましいことこの上ありません。
「あははー、残念ですけど。今日は青葉ちゃんは来ませんよー?」
「にゃー」
 がっくりと肩を落としているように見えます。
 もしかして人間の女の子の身体に病みつきになったんでしょうか。エロい猫さんです。
「というわけで、TSブレンド~」
 機械仕掛けのネコさんを意識して、どこからともなくネコスのお勧めメニューを手のひらに出現させます。
 私のコーヒーは魔法のコーヒー。
 一口飲めばあら不思議。老若男女畜生外道問わず可愛い女の子の姿に早変わりです!
「にゃ?」
「これを飲んで、人間の女の子になるがいいです」
 猫耳のついた青葉ちゃんは非常に萌えでしたが、そう何度も何度も妹の身体を畜生に乗っ取らせてやるものですか。
 本当なら、青葉ちゃんに初憑依するのは私の予定だったんですからね?
「にゃー」
 私の悔しさなどまったく気にせず、黄吉は差し出されたコーヒーをぴチャぴチャ舐めます。
「にゃふっ!?」
 急に黄吉が爆発します。さすがに心配になりますが、慌てずに事の成り行きを見守ります。
 もうもうと漂う煙の中から姿を現したのは────。
「ククッ、よくぞ我が封印を説いてくれた人間。礼を言おう」
 ネコミミ猫尻尾のボブヘアオッドアイ右手包帯美少女がキターーーーーーーー!!
 ……? なんか姿、前と違いません?
「くくっ……しかし、まだ……いや、我々だけで十分か」
 猫耳美少女が悪い顔しています。というか、喋り方が妙に芝居がかっています。
「同志よ! 人類では、来るべきラグナロクに太刀打ちできん! 世界は我々、アンリミテッドキャッツが導くのだ!」
「にゃーーーーーーー!!」
「ほへっ!?」
 猫耳美少女が、他のネコさんたちを煽り始めました!
 ラグナロクってなんですか? 無限の猫ってなんですか!?
「まずはこの店に眠る秘法を入手し、諸君ら同志は我と同じ姿になるのだ! ゆけーーー!!」
「にゃーーーーーーー!!」
「うにゃーーー!?」
 美少女黄吉の号令で大量の猫さんが勝手口に迫ってきました。
 私の脇をすり抜けて、ねこが、猫が、ネコが、ぬこが、にゃーにゃーがお店の中に侵入していきます。
「って、私のお店に何しやがりますかこの猫さんらは! 厨房に入るなです柱で爪とぎするんじゃねェですテーブルの上で丸くなるなら激写しますです!」
「これは、ラグナロクを回避するための前哨戦である!正義は我々の掲げるエンブレムにあることを知るがいい!」
「さっきから思ってましたけど、重症なぐらい中二病ですよねぇ、黄吉!」

 というわけで、その日の夜。私は一晩かかってお店の中に散らばった猫さんの抜け毛を掃除しました。
 ……大量のネコミミ少女と戯れる暇もありませんでしたよこんちくしょう。
「寝不足です~」
「にゃーw」
 すっかり元の姿に戻ったオス猫は、こちらの苦労など知らずに可愛らしい声を上げます。
 ……なんかバカにされたような気がするのは、私の気のせいということにしておきます。





中二病表現難しい
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・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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