ネコス43

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています

ネコス43

 みなさまこんにちは。
 喫茶店「ネコス」の美人マスターです。偉い人でエロい人です。
 しかし私の妹のエロさは有頂天でとどまることを知りません。

「新入生への挨拶がいけなかったのでしょうか」
 ちゃっかり学年一位を取り、在校生代表の座を勝ち取った青葉ちゃんは、そういって憂鬱そうに店内を見渡します。
 実は「ネコス」は現在、青葉ちゃんと同じ制服に身を包んだ学生で満席状態だったりします。
 男も女の子も、全員が陶酔した瞳でマイシスターを見つめています。いわゆる、崇拝によるトランス状態と言う有様です。
「ちなみに、どんな挨拶をしたんですか?」
「たしか……『皆さん、入学おめでとうございます』」
 普通ですねー。
「それから、『ただのセックスには興味ありません。この中に性転換、同性愛、近親相姦のフェチがある新入生は、私のところに集まってください』と言いました」
「それでこんなに集まっちゃっているんですか!?」
 青葉ちゃんの通う学校はいったいどういう教育現場なのでしょう。新世代の魔窟ですか?
「ええ、そのようで。せっかくだから、兄さんの店でこの迷惑なストーカー隊を駆逐する手段を模索しようかと」
「この妹、自分で集めた人たちをストーカー呼ばわりした上に駆逐とか言ってやがります!」
 でもネコスに集めてくれたのはグッジョブです、青葉ちゃん! おかげで今日は久々の黒字です!
「青葉先輩! 我々は、あなたに感謝いたします!」
「その通りです! お姉様はまさしく救世主です!」
「理解の無い者から後ろ指を差されることにも臆さず、先輩は公の場で特殊な性癖を持つ我々を集めた!」
「そして、コミュニティーを作り上げたのです! 我々は、もう特殊性癖に悩み孤独を感じることが無くなった!」

『青葉先輩、バンザーイッ!!』

「……うわぁ」
 なんだかすごいことになっちゃっています。
 カルト教団っていうのは、きっとこんな感じなのでしょう。
「はぁ……つまみ食いできる新一年生が欲しかっただけなのに……」
 なんか、青葉ちゃんも疲れたような顔をして頬杖を付いています。
 それにしてもこの妹、エロエロである。です。
──カラン──
「うるさいぞ野良猫。「オレンジ」の雰囲気がぶち壊しだ!」
 来客鈴を鳴らしてやってきたのは、相変わらず不機嫌そうな顔つきをした、お向かいのウエイトレスさんです。
 さっきの一斉唱和が気に触ったのでしょうか。とりあえず『何かあったら私が原因』だという考えを改めてもらえませんかねー。
「……って、なんだこの混雑は」
「あははー満席ですよ、オウカちゃん」
 マスター自慢します。たとえ学生さんたちが全員ドリンク一杯しか頼んでいないのだとしても、見栄を張って自慢します。
 べ、別にこの前見た『オレンジ』の繁盛ぶりが羨ましかったわけじゃないんですからね!
「くっ……いったいどんなトリックを……」
「トリックでお店に人が入るわけ無いじゃないですか。案外、可愛らしい思考しているんですね。黄花さん」
 私が考えそうな台詞に数割ほど毒性を高くした台詞が、カウンター席から聞こえてきます。
「それとも、あなたのお店はトリックで客を集めているのですか? ああ、そうしなければ立ち行かなくなるんですね?」
─カーン!
「なんだ、いたのか百合。トリックを考える頭もないくせに、口だけはよく回るな」
「うふふ、では認めるんですね。「オレンジ」はトリックで客を集めている、と」
「トリック=悪行とは、底辺らしい考え方だな。客の入店意欲をかき立てるための方法として視覚トリックを用いているだけことを、さもペテンのようだとしたり顔で言って、恥ずかしいとは思わないのか?」
「へぇ? 視覚トリックですか。たとえば、どんなことをしているんです?」
「教えるわけ無いだろう。野良猫は野良猫らしく店の前で手招きでもしていろ」
「詳しいことを言えないのなら、それはでまかせと思われても仕方ないですよ?」
 ……何でしょう。急に、どこからかゴングの音が聞こえてきたと思ったら、青葉ちゃんとオウカちゃんが罵倒しあいました。
 でも、手招きの案はいいんじゃないかと思います。
 美人マスターや美少女・美女ウエイトレスがお店の前で手招きしたら、萌え~なお客さんたちが殺到するのでは?
「青葉先輩! この失礼きわまる子供はいったい!?」
「お姉様、ここは私にお任せください!」
 信者の人たちが青葉ちゃんとオウカちゃんの間に割って入りました。
 なんて命知らずな人たちでしょう。若さゆえでしょうか。
「……お前らか。さっきの騒音は」
「運が無かったな、子供よ! 我々は青葉親衛隊! これ以上、青葉先輩への暴言が許されると思うなよ!」
 いつの間にか親衛隊を名乗っています。青葉ちゃん本人は乗り気でなさそうですが、この人たちにそれは通じそうにありません。
「子供、か……くっくっく……」
「何が可笑しい!!!!」
「さえずるな、クソガキ共」
『ッ!!』
「ひっ」
 オウカちゃんの目がホラーです。超血走っています。人殺しの目じゃなくて殺人鬼です。
 ホッケーマスクをかぶってチェーンソーとカギ爪を振り回す人形でも負けてしまいそうな、狂気じみた目をしています!
 ちっちゃくて可愛い子なのに、なんでこんな目が出来るか不思議でなりません!
「確かにそうだな。お前らは運がいい……昔の私なら、陵辱系の不愉快極まるエロ漫画のように調教してやっていたさ」
「な、なかなか鋭い眼光だな……しかし、我々は」
「通じないか? 私は、見逃してやる、と言っているんだよ、その他大勢」
「えぇい! ひるむな!」「しかしこの子供、メチャクチャこえー!」「むしろいじめて欲しい!」
 親衛隊諸君は、ざわざわして統制がまったく取れていません。
「消えろ、十把一絡げ。時代劇のようにな」
 オウカちゃんのその言葉が合図になったのか、その他大勢はドドドドドと物凄い勢いでお店から出て行きました。
「お、おぼえていなさい黄花様! 兄さん、それではまた!」
 なぜか青葉ちゃんまで、涙目になりながら親衛隊の人たちと一緒にお店を出て行きます。
「ふぅ……まったく、くだらんことに時間を取った」
「相変わらず凄いガン付けですねー」
「ふん。まぁ、口先だけなんだがな」
「へ?」
「こんな体格で一騎当千なんて出来るわけないだろう。少年誌の読みすぎだ」
「だ、騙していたんですか!?」
「人聞きが悪いな野良猫。口述トリックと言え」
「それは、ハッタリというんですよーーーーーー!!」

 眼光の鋭いブロンドの小さい女の子は、人を手玉に取るのがとても上手いです。
 でもネタバレは青葉ちゃんにしてあげません。
 あの子は自分よりもさらに上のツンがあることを知り、自重すべきだと思います。特にエロイこととか。
「そういえば野良猫。奴ら、会計を済ませたか?」
「あ……」

 今日も「ネコス」は赤字です。





最近ネコスばかりだ…
現在長編準備中
それとも短編新シリーズを…?
まぁ、いいや。適当なタイミングで適当に新しいこと始めます
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Author:巫

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・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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