ある日の俺と彼女 4/29 '12

自分の彼氏を記念日に因んでTSさせる彼女
そんなバカップルのゆるいSSシリーズです
TS的萌えは皆無です

ある日の俺と彼女 4/29 '12

「今日は笑話の日です」
「字が違う気がしてならない」
 今日も相変わらず、わが恋人兼婚約者はわけのわからないことをのたまう。



「ってわけで、なんか面白い話して」
「なんかっつってもなー……」
 あいにく、世界改変できる彼女と違って俺は一般人だ。普通に大学に行き、普通に生きている。
「そういうことなら、このアパートの人たちに聞いてみるか?」
 俺の暮らすアパートには、鬼とターミネーターとインベーダーがいる。まぁ、全員「自称」がつくわけだが。
 一号室の大家さんちには話したがりの異世界人も来ることだし、面白い話には何かと事欠かないだろう。
「ぶー、あなたと話したいのに……」
「さりげないデレをありがとう、マイ彼女」
 しかし何度でもいうが俺はエンターティナーではなく、しがない一般人なのです。
 というわけで、今日の祝日は彼女と一緒にアパートの住人めぐりをすることと相成った。

────202号室のターミネーター

 ピンポーン
「…………でないね」
「留守かな?」
「つーまーんーなーいー」
「いやでも、なんか部屋の中から話し声、聞こえないか?」
「本当? じゃあ、ボリューム調整しなきゃ」
 そういい、彼女はポケットからテレビのリモコンを取り出し、音量を上げた。
「……だ。ってわけで、オレは格安がフィアーなんだぜ?」
 見る見るうちに、小さかった部屋の中の声が大きくなっていった。
 ……うん、もう何も言うまい。
「いぇい! そんなターミィにはバーゲン品を上げるさぁ!」
「シット! こんな安っぽい部品でオレの機能が回復するなんて!? おおおお! コワイぞぉ!」
「ふふふ、さあ、この世で最も怖い格安はなんだい?」
「こ……ここらで家賃のネサゲがコワイなっ!」
「いぇっす! 完璧な落語だよターミィ! これで管理人も家賃の値下げをしてくれる!」
「おう! なんといっても今日は『小話の日』だからナ!」

「……なんか、忙しそうだから入るのやめておこうか」
「だな」
 あの二人のテンションは、今日も暑苦しい。


────203号室の鬼

「のぅ、ぬしよ。今日は働かないのかぇ?」
「昭和の日に感謝して休む人間に向かっていう言葉じゃないだろう、常識的に考えて」
「うむぅ……これでは、ぬしが仕事に行っている間にワシの金棒を探すことができん」
「家主の前で堂々と家捜ししている宣言をするか? 常識的に考えて」
 ぴんぽーん
「ぬ、客じゃ。誰じゃろ」
「この時間なら勧誘だろ。常識的に考えて出る必要はない」
「たくはいびん、というやつでは?」
「季節と自分の普段の振る舞いを考えて、それはない。常識的に考えて」
「友かもしれん」
「自分の人間性からして、それもない。常識的に」
「大家では?」
「家賃は先週払った。常識」
「…………チャイムが鳴ったのに出ないのはジョウシキテキにどうなんじゃ」
「アポなし訪問者より昭和の日に感謝の正拳突き一万回を優先させるだろ。常」

「……っていうか、会話は筒抜けなんだよねー」
「ボリューム最大だからな」
 この部屋の自称一般人は、相変わらず真面目だ。


────102号室のインベーダー

「唱和せよチキュウジン! あせwstぎjkpl!!!!」
「マノちゃん? う る せ ぇ な」
「命ばかりはお助けくださいママウエ!」

「……取り込み中ー」
「いまの唱和したら何が起こるんだろうな」
「チキュウジンがポゼション星人に乗っ取られるんじゃない? 唱和する?」
「いや、ぜんぜん聞き取れなかったし」
「あせwstぎj」
「ストップ! 次行こう次!」


────101号室の異世界人

「よ、カレシ&カノジョ」
「よ、ハニー&ダーリン」
 大家さんの部屋に行くと、ようやくアパートの住人に会えた。
 運のいいことに異世界の大家さん(女)もいるし、彼女の暇つぶし相手にはうってつけだ。
「ちょうど良かったよ。「俺」の相手頼む」
 大家さん(男)は少し疲れたような顔をして、異世界の自分を俺たちに託した。
「そうか、お前らも聞きたいか俺の武勇伝!」
 異世界の大家さんは、今日もテンションが高い。
「その凄い武勇伝を聞いたげる!」
 マイ彼女も負けじとテンション高ぇ。
「俺の撃墜ベスト10!」
「れっつごー!」
 二人が組めば、止められる奴はこの場にいなかった。
「人型兵器で蹴り入れる! 脚の駆動にトラブル発生!」
「GE・KI・TUI! GE・KI・TUI!」
「損傷は軽微、まだいける! ダメージ覚悟で敵撃墜!」
「GE・KI・TUI! GE・KI・TUI!」

「……なんでさっきから軽くダメージ受けているんです?」
 すっかり置いてきぼりにされ、そんなどうでもいいことが気になり大家さん(男)に尋ねる。
「いや、なんか、今回あいつの行った世界では、今日はそういう運命だったらしい」
「運命?」
「『小破の日』なんだと」
「……さいですか」

「エネルギー回復、武器が無い! 腕をもぎ取り振り回す!」
「GE・KI・TUI! GE・KI・TUI!」
「アーマーバラバラ中身は平気! マシンガンで即撃破!」
「おーいえー! 大家さんかっこいー!」
「センキュー!!」
 彼女のノリは、時々ついていけない。
 が、満足そうなのでよしとした。

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