ネコス45

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています

ネコス45

 みなさまこんばんは。
 変身喫茶「ネコス」の美人マスターです。ようやくGWが終わりました。
 サービス業の私に連休はなく、GWは『ぐったりウィーク』です。非常に疲れました。
「というわけで、今夜はスーパーぬこタイムです」
 私はお店の裏口に出ると、いつものように残り物……ではなく、ちょっと奮発して購入したロイヤル的な猫缶を設置します。
「ぬぁ~」「にー」「にゅー」
 みるみるうちに、草むらから野良猫さんたちが出て来ました。いやしんぼです。
「うふふふふー。今日は、思う存分モフりますからねー」
 ポケットには猫じゃらしにマタタビ、ねずみ型のオモチャなどなど、夜を猫と共に過ごすためのアイテムが詰まっています。
 私の邪悪美人な笑顔にも気づかず、猫さんたちは猫缶にむしゃぶりついています。ああもう、マジ猫可愛いです!
「にゃー」
「むむっ! マイステディ!」
 私の一番のお気に入り、オスの三毛猫「黄吉」が満を持して現れました。
「残念ですがあなたにあげるコーヒーはありませーん。今日は私のターンです」
 この猫さん、私のコーヒーを飲むと2ちゃんねらーで中二病な発言を連発する痛いケモ耳少女になります。眼福なのは確かなのですが、あの発言と行動力に付き合うだけの気力が今日の私には残っていません。
 今夜は私が猫を弄る日なのです。猫に弄られる日じゃないのです。
「こ、こんばんは、店長」
「うにゃ? アオちゃんじゃないですか」
 珍しいお客さんの登場です。どうしてこんな時間に、ウチのバイトがやってくるのでしょうか。
「あ、あの、忘れ物して」
「もう一度お願いします。わわわ忘れ物ですか?」
「いえ、忘れ物」
「……ノリが悪いですねー」
 忘れ物といったら、自作の歌を口ずさみながらの登場でしょうに。
 ユカリちゃんといいアオちゃんといい、ウチのバイトは真面目すぎます。
「そういえば店長は、もともと男の人なんですよね」
「いきなりですねー」
「いえ……お店が終わってもまだ女の人の姿だから、あれ? って思って」
「あーまーなんといいますかー……私、基本的に四六時中、美人マスターなのです」
「え?」
「アオちゃんや黄吉が飲んだTSブレンドは、可逆性の豆を使っています。なので、時間がきたら自然と元の性別に戻るつくりになっているのですよ」
 ブレンドの配合比率や焙煎法なので時間調整もできますけど、効能は丸一日が限度です。
「私が飲んだのは、あなたたちとは違うコーヒーでしたから、まぁつまり不可逆性の豆を飲んだので、私はもう男に戻ることがありません」
 ようするに一生女の子です。私、一生涯美人マスターです。
「TSブレンドを飲めば私も男性になれますけど、やはり『元に戻る』という感じではないのですよー。わかりますかー? わかりませんよねー」
「そ、そんな豆があるなんて、聞いたこと……」
「でしょうねー。私も、アイさんに最初にあったときは同じ反応でした」
「アイさん?」
「怪しい外国人業者です。近付いたら危険が危ないので会おうなんてしないで下さいね」
 あのひとは人間の皮を作って自分で着ることが趣味です。着ぐるみには違いありませんが、体格まで皮に準拠するというのはSFすぎます。
「外国人業者……その人が、この店のコーヒーを……」
 アオちゃんは足元の黄吉を撫でながら、なにかぶつぶつ言っています。
「……マスターはブレンドを作れなくて、そしてボクは女の子にならなくて……」
「アオちゃーん? 何考えてますかー?」
 ぶつぶつほざく少年の頭を鷲づかみするため、手を伸ばします。
 ──ガリッ
「ふぇ?」
「あ……」
「にゃー」
「……い、いってぇぇええええええええです!」
 引っかかれました! 私の手が黄吉に引っかかれましたです!
 野良猫に引っかかれたということは、衛生面で非常にデンジャーです! 傷口からバイキンが入って化膿して熱出して三日ぐらい寝込んでしまいます!
「てめこの猫畜生! 今日という今日は許しませんよー!」
「にゃー」クィクィ
「手招きしているように見えますがおそらくこれは幻覚でしょう! ファイ! です」

 そこから先は、まぁ放送事故の画面でBGMがドスンバタンドンガラガッシャンという感じで夜が更けていきました。
 ……ぐったりウィーク最後の日まで、ぐったりなマスターでした。まる。

「『アイさん』か……」
「にゃー! マタタビ効かないって、あんた本当に猫ですかぁ!」
 ドカドカドカ
「ニャハハハハハー!」
 ガリガリガリガリ




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巫

Author:巫

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・小説モドキを主に不法投棄します
・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

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・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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