ネコス49

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています

ネコス49

 みなさまこんにちは。
 変身喫茶店「ネコス」の美人マスターです。先日、固い絆に思いを寄せた二人を見送りました。
 ようするに、友人の結婚式に出席しました。語りつくせぬ青春の日々が、きっとあったに違いありません。羨ましい限りです。
「しかし私は家庭に縛られません。なにせ私、美人マスターですから!」
「今日も独り言がうるさいな、野良猫」
 紅茶を飲みながら、金髪少女が毒づきます。
 私の独り言を『いつものこと』として受け止めるぐらいネコスに顔を出してくれるライバル店の店員さんは、今日もうざ可愛いです。
「しかし何ですね。知り合いが結婚するというのは、心がぽかぽかします」
 必死になって婚活する人は『爆発しろ』という感想でしょうが、あいにく私はそんなもの超越しています。『末永く爆発しろ』との念を送ってやりました。
「どう違うんだ?」
「つまり結婚する二人を嫉みつつも祝福しているのです。非常に人間らしい言葉だと思います」
「人間に向かって『爆発しろ』という台詞な時点ですでに非人道的だ。やはりお前は野良猫だな」
「安心してください。オウカちゃんが結婚するときは『死が二人を分かつまで爆発しろ』という念を送りますから」
「葬式を爆破で執り行う気かお前は。火葬じゃなくて爆葬か」
「それは新しいですね」
「ああ革新的だな。誰もやらんだろうが」
──カラン──
「やあ、来たよマスター」
「こんにちはマスター。ウチの黄花はいますか?」
「いらっしゃいませですー」
 来客鈴を鳴らして入ってきたのは、ウザ客さんとセキナさんでした。
 二人とも背格好が同じな上に張り付いたような笑顔を浮かべているので、パッと見、兄弟のようにも見えます。
「あんなヤサ男とセキナを比べるな。剥ぐぞ野良猫」
「カワモノですか? そういうのは怪しい外国人が担当です」
「こら黄花。そうやって所構わずケンカを売るなと、いつも言っているだろう」
「ふふっ、僕は気にしませんよ藤橙さん。マスター以外の小娘の言葉など、ノイズと同じです」
「……先の黄花の暴言は謝罪します。ですが、今の言葉には修正を加えていただけませんか、赤井さん」
「ふむ……どこを修正すればいいのか、イマイチ理解できませんが」
「私のフィアンセを小娘呼ばわりし、その声を雑音と称したことです」
「セキナ……」

「にゃー……」
 なんだか盛り上がっています。
 セキナさんのことで見境がなくなるオウカちゃんはいつものことですが、逆パターンというのは非常に珍しいです。
 この二人の結婚も、きっともう間近でしょう。キャンドルライトの中の二人に目を細めて、大きな喜びに打ち震える私の姿が目に浮かびます。
「ははっ、参ったな……せっかくあなたの喜びそうな商品をお持ちしたのですが……」
「ええ、破談にしてくれて構いませんよ。どれほど有益な商品であろうと、こちらにもプライドがありますので」
「セキナ。私のために商談を……」
「構わないよ黄花。僕は君のことを何よりも優先すると決めたんだ」
 イチャラブしています。こういう展開はネコスではなく自分のお店でやりやがれと思います。
「ふっ……そうだね。君達なら、きっとどんな苦難も乗り切れるはずさ」
「ええ、その通りです。……それでは」
「じゃあな、野良猫」
 オウカちゃんは、カウンターに紅茶の代金を置いていくと、セキナさんと連れ立ってお店を出て行きました。
「ふふっ、ごらんの有様だよマスター。どうやら僕は、商談を一つダメにしてしまったらしい」
「自業自得じゃないですかー」
「まぁね。でも僕だって彼と同じさ。マスターに関することへの発言は、どんなトラブルがあっても撤回しない」
「む……」
 キザッたらしい台詞を言われてしまい、不覚にも言葉に詰まりました。
 このウザ客さんは、セキナさんと同じぐらい、私を愛しているとでも言うのでしょうか。うふふっ……罪作りな私です。
「それよりマスター。今日のランチを」
「承りましたですー」
 オーダーを通した私は、早速厨房に向かいます。
 マスター至上主義に感銘を受けたので、ランチのカラアゲを一個サービスしてやります。ありがたく思うがいいです。


「そういえばあなたは個人商なのに、私と商売しようとしませんねー?」
「キミとはあくまでも、男と女の関係でいたいからさ。商売なんてものを絡める気はないよ」
「あなたとは生涯、客と店員の関係ですけどねー」
 この個人商のウザ客さんが、いなくなった外国人業者の代わりを務めてくれるような気もしましたが。
 別に、そんなことはなかったです。




長編ほったらかしてネコス更新
『間に合わなくなっても知らんぞー!』というべジータの声が聞こえる日々です(イミフ
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・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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