ネコス52

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています
もはやTS設定忘れがちです

ネコス52 山編1日目

 みなさまこんにちは。
 夏です。山です。照りつける太陽です。きらめく木漏れ日です。四方八方から響くセミの声です!
「だーーーーーーっ! やっかましーーーーーー! です!」
 私の大声にも、セミさんたちはまったく意に介さずみんみん鳴き続けています。大自然は図太く偉大です。

「……コホン、改めまして」
 みなさまこんにちは。喫茶店ネコスの美人マスターです。ただいま山に出張中です。
 山といっても本気の登山じゃありません。周りが雑木林で、近くにはいくつかのバンガローと大きな湖のある、絵に描いたようなキャンプ場です。私達はその一角でお店を開いているのです。
 それにしても映画に出てきそうな湖です。ホッケーマスクの殺人鬼が現れそうです。一作目と二作目には実はホッケーさんが出てこないことはあまり知られていません。カッコ私調べカッコとじです。
「ここは今じゃ水晶湖と言われてるがな。その昔は吸生湖と呼ばれて――――」
 くわえタバコのキャンプ客が、ドヤ顔で他の客に湖の伝説を話しています。
 誰も聞いていないのに勝手に説明するあたり、KYに違いありません。
「それよりも。ねぇ、さっそく今夜どう?」
「いいね、じゃあ今のうちに、車は森においておこうか?」
「うふふっ、そうね」
 カップル発見です。直接的なことは何もいっていませんが、私はあの二人から淫らな空気を感じ取りました。
 なんとなくですがあの二人、夜に森の中でエロイことをしていそうです。
「キミ。車が通れるルートは、あの大吊橋しかないのか? もし吊り橋が落ちたら?」
「ここは陸の孤島です。救助を待つか、自力で森を抜けるしか下山する方法はございません」
 小太りの男が、ツアーの案内人っぽい人にルートの確認をしています。
「おかしいな……アイツ、先にキャンプ場で待っているって言ってたのに」
 青年が行方不明になっているっぽい知人を探しています。
「…………フラグのバーゲンセールじゃないですか」
 私、帰りたいです。
 こんなの、絶対に連続殺人事件が起こるに決まっています。何も起こっていない今こそ、逃げるチャンスです。
「兄さん。安心してください」
「青葉ちゃん?」
「情報によると、ここが吸生湖と呼ばれていた逸話は存在せず、行方不明の知人は今頃、『水晶湖』のフリップを持ってヒッチハイクをしているそうです。北海道で」
「極度の方向音痴ですねぇ。知人さんは」
 そして青葉ちゃんの情報力は筆舌に尽くしがたいです。やはり連れてきて正解でした。
「な、なぁ、妹さん。赤井は来るのか?」
「その情報は1000Gです。もしくは三日三晩私に抱かれてください」
「Gっていくらだよ!?」
 ユカリちゃんがそのまんまのツッコミをしています。
 三日三晩ということは昼夜問わずという意味だと気付いていないのでしょうか。
 そして青葉ちゃんのエロスは筆舌に尽くしがたいです。やはり連れて来ない方が正解かもでした。
「お前ら。騒いでないでさっさと開店準備をしろ」
 金髪ロリのオウカちゃんに睨まれました。怖いです。
 しかし忙しそうなので、私達も雑談はやめて、せっせと準備に取り掛かります
 キャンプ場のコテージに手を加えたような外観のお店は、中も落ち着いていてまさに山小屋のおしゃれ喫茶といった雰囲気です。
「にしても、セキナさん。今更ですが、この企画、ダメっぽくないですか?」
 苦言を呈すると、オウカちゃんに睨まれてしまうのですが、いち経営者として言わせて貰います。
 ここのロケーションは最高ですが、いかんせん交通の便が悪すぎます。
 客は、あそこの十人ぐらいのキャンプ客しかいません。飲食店というのは、もっとこう、広い場所で大勢の人を相手にするような施設だと思うのです。
「ええ、あなたの言うことは正しいです。私も同感です」
 セキナさんが、胡散臭いわけではないのですがなぜかいまいち信用しきれない笑顔を浮かべます。
「けれど、今年は……そう。どうしても確かめる必要が、あったのです」
「確かめる必要、ですか?」
「いいえ。何事もなければ、ソレが一番です。この出張営業が終わった後、お話します」
「はぁ……まぁ、いいですけど」
 どうにも腑に落ちません。セキナさんは一帯、何の目的でここに来たのでしょう。
 っていうか、また不穏なフラグが立っています。やっぱり今すぐ逃げたほうがいいと考えるのは考えすぎではないと思います。

「イエーーーイ! 湖を物憂いげに眺めるターミィは素敵さぁ!」
「マスター! この湖、ナンか汚い!」
「ぬしよ。ここは水晶の湖ではないのかぇ」
「水晶の色は不純物が混ざって出来たものだからな。水晶湖とはつまり、不純物だらけの湖っことだろ、常考」
「水晶の指輪をする私が、その言葉を見過ごせるわけないわっ! ダーリン! ラブラブパワーで、この湖をアメジスト色に変えるわよ!」
「俺のサポートなんか必要ないだろ……っていうか紫の湖なんてヤだよ! 毒々しい!」

 ……なんか、ホッケーマスクさんが来てもカギヅメさんが来ても大丈夫っぽい気がしましたです。




二日目につづきます
アパート連中便利超便利
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Author:巫

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・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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