ネコス53 山二日目

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています
もはやTS設定忘れがちです

ネコス53 山編2日目

「皆でいた方が安全? 冗談じゃない! 私は部屋から出ないぞ!」
 死亡フラグな台詞でみなさまこんにちは。
 リゾート地にある喫茶店の雇われマスターです。「ネコス」はただいま臨時休業中です。

「お客様、どうか落ち着いて」
「これが落ち着いていられるか!」
 この地に私を誘ったセキナさんが、死亡フラグを振り撒く小太りな男をなだめています。
 ちなみに事件は現場でも会議室でも起こっていません。ちょっと彼がヒスを起こしているだけです。
「大丈夫ですよ。我々はお客様の安全を保障いたします」
「保障? ふざけるな! いいかオーナー。人が一人、性転換しているんだぞ!?」
「そこは「人が一人死んでいるんだぞ」でしょう、常考」
「うるさい! 私は見たんだ……コーヒーを飲んでいた男が、突然、何の前触れもなく女の姿に化けるのをな! 毒か魔法かは知らないが、下手をしたら私が犠牲になる所だったんだぞ!」
 珍しい人です。小太りな中年男に女性化フラグをちらつかせたら普通は「ぐへへ」となるものなのに、このおっさんは男でいたいと言っています。理解できません。
「とにかく私は我慢できん! おいガイド! 帰りの手配をしろ!」
「そ、それが先ほどから電波の調子が……」
 まーた連続殺人フラグをたてまくっています。なんなんでしょう、あの人は。
 ちなみにコーヒーを飲んで女性化事件の犯人は私です。いちおう、善意だったんですけどねー。
「やれやれ……企業の社長ともあろうお人が何たるザマですか」
 セキナさんは、小太り男の反応を見て小声で残念そうに毒づいています。
「社長なんですか? アレ」
「ええ。しかし彼はその器ではないようです。この程度で取り乱してもらっては……」
「セキナさん? 意外とハードルの高い要求をしていることに気付いていますかー?」
 常識と照らし合わせたら、男が突然女になって取り乱さないはずがありません。
「いやー、おっさん。俺は気にしてないし。それよりみろよほら、俺の巨乳」
「ええい! はしたない真似はやめろ!」
「女の快感って気になるしさー。アイツも来ないしさー。せっかくだからそこの茂みで1発ヤラネ?」
 私のコーヒーを飲み女性化した元男が、小太りに性交渉を持ちかけています。
 ……みなさま忘れていませんか? 私のコーヒーの女性変化期間は三分間です。
「普通のエンコーより安くしておくぜぇ?」
「むぅぅ……い、淫乱女が! 私の老成されたテクに恐れおののくがいい!」
 両者とも乗りに気なって、山小屋のお店を出て行きました。……たぶん、ディープキスの真っ最中で男に戻るでしょう。
「若き経営者も性の前ではオス……彼も駄目ですね」
 セキナさんはいつの間にかスコアボードのようなものを持ち、その上にペンを走らせていました。
「なあ、あの二人見てたら俺も……」
「うふふ、じゃあ、この店の裏で……しちゃう?」
「そうだな。ちょうどいいクスリもあるしさっそく今から……」
 みるからにDQN風のカップルが、またよからぬ相談事をしています。
 まだ夕方なのに、喫茶店の裏でエロイことをするつもりでしょうか。許せません。
「お客様」
「ちっ、なんだよ……ひぃ!?」
 オウカちゃんが二人の席の傍に行くと、途端にカップル達は取り乱しやがりました。
 私の位置からでは金髪ツインテールのうなじしか見えませんので、どんな顔をしているかわかりません。というかうなじハアハアです。
「あなた達がどこでナニやろうが自由ですが、この店、および私やセキナに迷惑がかかるような真似はしないで下さいませ。そして死ね」
 あ、なんかものすっげぇ怒っているのがわかります。きっと、例の人殺しのような目をしているのでしょう。
「こ、こいつはどうなってもいい! だから、俺を助けろ!」
「あんた!? わ、私の方を助けてよ! 助けてくれたら、いい薬あげるから!」
「てっめぇ! それは俺のだクソ女!」
 命の危機に瀕した途端、エロエロだった二人が仲間割れをはじめました。醜いです。
「下っ端構成員とはいえ、もう少し理知的な方とお話したいですね。これもバツ……と」
 セキナさんはスコアボードにまた何か印をつけています。
「セキナ。調査は順調ですか?」
 振り向いたオウカちゃんの顔は、それはそれは清々しいものでした。
 彼女の目の前では、カップル達がまだケンカをしています。
「ええ。これで、後は一人だけです」
「記者の彼は……まだ、ご来店いただけないようですが」
「焦ることはありません。そのうち、必ずご来店するはずですから」
「…………」
 なんなんでしょーねー、本当に。
 ここまで、あからさまに気になるフラグを立てて、いったいナニがしたいのでしょうこの二人。
 でも、私は人の事情に無闇に踏み入りません。なぜなら、美人マスターですから!
「なぁ、あんたらさっきから何しているんだ?」
「KYですかユカリちゃん!? 私のスタンスは!?」
「ああ、これは……今後の有望株の方たちが、「オレンジ」の取引相手に足る人物かどうか。その調査です」
「セキナさんもなにあっさり答えているんですか! 内緒じゃなかったんですか!?」
「うるさいぞ野良猫。だからお前は、私達の取引相手になれないんだ」
「だからこそ彼らは、私達の友人なのですよ。黄花」
「お友達やめていいですかー!?」
 みかんコンビの言う「取引」にはダーティな臭いがぷんぷんしています。
 いったいこの二人、普段はどんな商売をしているのか。
 私、とっても気になります!です。

「いや、普通の喫茶店だろ。店もあるんだし」
「KYなユカリちゃんは黙っててくださいです!」




間が空きすぎた
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Author:巫

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・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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