ネコス58

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています
TS要素は既に形骸である。あえて言おう、ただのSSであると!

ネコス58

 みなさまこんにちは。
 変身喫茶「ネコス」の美人マスターです。ネコミミモードで地獄行きです。

 もうハロウィンは終わったというのに、私は猫娘の仮装をしています。なぜでしょう。
 これじゃあまるで、私が空気の読めないおばかサンじゃないですかヤダー。
「愛しい人……その耳はもしかして、僕の膝元で丸くなりたいから頭を撫でて可愛がって欲しい。というアピールかな?」
「にゃー」
 今日も今日とて、うぜー客はうぜーことを言っています。私のネコミミもしょんぼり折れてしまいます。
「猫娘はいつの間に萌え対象になってしまったんでしょうねー。本当は古参の妖怪のはずなのですが」
「夜毎に行灯の油を舐めにくる化け猫マスターか……まずいな。今日から僕は行灯を用意して徹夜を強いられそうだ」
 睡眠不足でぶっ倒れるがいいですこのウザ客めが。
 とにかく、怖がるどころか萌えられているようなので、私はため息をつきながらネコミミカチューシャを外します。
「猫耳モードは終わりかい? 残念だ」
「怖がらせるどころか和ませてしまっていますからねー猫耳は失敗です」
「ふっ……そもそも、この僕がマスターの存在を怖がるわけが無いだろう? どんな姿でも君は君……僕の愛しい人だ」
「次はゾンビメイクでもしましょうかねー」
「君の眼球から歯形、骨や血管に至るまで全てを愛そう」
「またずいぶんと猟奇的な変態ですね!?」
 そしてやっぱり言葉の端々が鬱陶しいです。
 赤井さんは私の本名を知る数少ない人間ですが、どうにも不倶戴天の敵であるという感情が消えません。
 うざいこと言うのをやめてくれれば、常連客のお得意様として普通に接することが出来るのですがねぇ。
「マスター。僕は、一人の客ではなく、一人の男として、君と接したいんだ」
「どーして私の周りの人間は、私の心を読むんでしょうかねー?」
「ふっ……心の声が独り言として漏れているのに気が付かない……。そんな君だからこそ、僕は愛しているのさ」
「あなたは愛という言葉を安売りしすぎです」
 そんなだから、いつまでも私は本気になれないのですよ。…………いえ! 別に本気にしたいわけではありませんけど!
「ところで、今日はなぜ猫耳を?」
 強引に話をすりかえやがりました! むしろその気遣いが辛いです!
「…………妹の、文化祭があるらしいのですが。なぜか妹は、お化け屋敷のアイディアを出せと私に言ってまして」
「ふむ。妹思いの良いマスターだ」
「青葉ちゃんが私に頼ることなんて滅多にありませんからねー。ここはひとつ、お姉ちゃんらしさをアピールする場面ではないかと思ったのです」
「なるほど。……そうだ、マスター。いいことを教えよう」
「なんです?」
「最近、この界隈に雑貨屋が出来たのは知っているかい? あそこは小さいなりに物も充実しているし、店員達は曲者のアイディアマンだ」
「雑貨屋、ですか……」
 ええ、知っていますとも。皮変装の達人と変なお嬢様がいるんですよねぇ、あそこ。
 なるべく係わり合いになりたくないのでいままで一度も顔を出しませんでしたが……。
「赤井の紹介で、と言えばきっと安く物も買えるだろうし、店員も親身になって相談に乗ってくれるはずだ。一度、覗いて見たらどうかな」
「あなた、雑貨屋の関係者なんですか!?」
「それは秘密さ」
「にゃっ!?」
 教えてくれてもいいじゃないですかケチですね。
 マスターの好感度を上げるチャンス…………にゃあああああ! 好感度なんてものは存在しませんです!
「はっはっは。マスターは今日も百面相だね。見ていて飽きないさ」
「うるせーです、このウザ客ーーーー!」

 こともあろうに、お客さんに対して思いっきり暴言を口に出してしまいました。
 それでも相変わらず赤井サンはにこにこしています。
 ……この男とは、どんどん遠慮の無い関係が築かれているよーな気がしますです。

「あの野良猫は営業中に何をイチャイチャしているんだ……」
「シテイナイ。シテイナイヨ?」
「紫……お前、大丈夫か?」


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No title

なんだかんだでフラグ立ててるっぽいマスター

コメントありがとうございます

コメントありがとうございます
マスターも好きだ好きだ言われているうちに好感度があがったんでしょうかね
赤井の春は近い……?
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巫

Author:巫

・TS好きのはしくれ
・小説モドキを主に不法投棄します
・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

・当ブログのリンクはご自由にどうぞ
・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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ちぇ~んじ!~あの娘になってクンクンペロペロ~
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