ネコス59

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています
TS要素は既に形骸である。あえて言おう、ただのSSであると!

ネコス59

 みなさまこんばんは。
 秋の夜長の美人マスターです。心労でぐったりにゃんこです。

「いや……ある程度予想はしていたんですよ?」
 実は今日、私は赤井さんから教えてもらった雑貨屋に入りました。
 彼によれば、店員達からいいアイディアをもらえるはず……という話にホイホイ飛びついてしまったのが敗因です。
 雑貨屋の店員は皮変装の達人Iさん。そして謎のお嬢様ハトリさん。
 この回想の一文だけでも察せられるように、お二人ともかなりの曲者です。謎に満ちています。
 さらに悪いことに、この二人は自分が「怪しい」と思われることをなんとも思っていないようで、バンバン意味深な会話をしてくれやがります。
 私の信条として、「他人のプライベートにはあまり踏み込まない」がありますので、突っ込んだ話も聞けず、かなりモヤモヤしながら帰りました。
(「文化祭……? ヒヒ、久々に女子高生に化けるのも悪くネェな」
(「ワタクシは遠慮いたしますわ。それよりも、まだあのお方は見つからないのですか!?」)
 こんな感じで気になるフラグをばら撒いてくれるんですから、溜まったもんじゃないです。
 結局、妙な会話に振り回されるばかりで、アイディアらしいアイディアももらえませんでした。
 今度赤井さんに会ったら文句を言ってやりますです。逆恨みです。
「ああ~……どーしましょうかねー」
 青葉ちゃんから言われたアイディアの締め切りは明日です。
 つまり、今日のうちにいいアイディアを出さないと、私はわが妹に「役立たずなお姉ちゃん」と思われてしまいかねません。
「閃け~閃け~です」
 居住区の居間でごろごろにゃんにゃんしています。それで天啓が授けられれば儲けものです。
────ガシャーン
「にゃあ!?」
 お店から物音がしました。というか、割れ物の音です。
 不審者でしょうか? それとも泥棒? あれ、泥棒=不審者ですか? ≠だとマスターは思うです。どうでもいいです。
「だ、だれですか~?」
 私はふすまを開けて、消灯済みのお店の中を窺います。
 カウンター越しに見えるネコス店内は、しんと静まり返り、物音一つしません。
 気のせいだったのでしょうか……と思うのは、素人です。後ろを振り返ったら殺されるパターンです。
「私の目はごまかされませんよ……そこです!」
 私は手近に会った食器棚からナイフを掴むと、暗闇の一角に向けて投げつけました。くのいち気取りです。
「うはwwww マジキチwwww」
 投げつけた暗闇から、人影が飛び出しました。ついでに2チャン語も聞こえてきます。
「もまえwwもう少しww平和にwww」
「とりあえずwつけるのやめろです化け猫」
 居住区の明かりが浮かび上がらせた人影の正体は、裸の猫耳少女でした。
 いやらしい光景なはずなのに、その喋り方で全部台無しになっています。
「いつの間にコーヒー飲みやがりましたか。私、用意してませんよー?」
 私は冷静に、全裸の猫耳娘に話をかけます。
 この猫耳娘は実はオスの野良猫、黄吉です。私のコーヒーを飲むと人間の猫耳少女になり、そしてなぜか2チャン語で喋ります。
「マスター、最近漏れにエサくれねーじゃん? だから店ん中あったうまそーな豆を、こう、カリカリと口にですねww」
「焙煎前の豆を直に食べたんですか!? つくづく化け猫ですねー」
「して、エサはまだかね? 皆の衆も心待ちにしておるぞ(キリッ」
「キリッと喋っても言っていることはやっぱり動物ですねぇ」
 ……というか、マスター違和感です。
 この猫畜生がいったいいつの間に私のお豆さんを口でこうカリカリとした……感化されました。おそるべしです化け猫。
「そうそう。いつもより変身時間、長くありません?」
「あー……確かに。豆の直食べ効果?」
「むちゃくちゃな理論乙です……また感化されましたです!」
「? それよりエサー」
「ああもう、にゃーにゃーうるさいですねぇ! 私は今、猫耳娘が操る2ちゃん語の恐ろしさに身を震わせているのです!」
「皆の衆、そーれ、にゃーにゃーにゃーにゃー!」≪にゃーにゃーにゃーにゃー≫
 ついには黄吉の先導にしたがって店の外からも猫の大合唱が響きました。
 このままでは、お向かいさんから苦情が来ます。つくづく恐ろしいです!
「…………はっ! マスター、閃きました!」
 これぞ天啓です!
 青葉ちゃんに「お姉ちゃん素敵……抱いて!」フラグです! ヒャッハー!

──「ネコス」のお向かい、カフェ「オレンジ」──

 にゃーにゃーにゃーにゃー
「落ち着いてくださいセキナ! 猫アレルギーの身体で、今外に出るのは自殺行為です!」
「止めないでくれ黄花……男には、どうしても行かなければならないときがあるんだ!」
「どうしてもというのなら、私と、入れ替わってから!」
「それはできない。こんな深夜に、女の子の身体で出歩くわけにはいかないからね!」
「セキナ……私の身を案じて……ですが、ここを通すわけには!」

 ────赤那と黄花の攻防は、一晩中続いた。
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Author:巫

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・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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