ネコス60

TSした店主の喫茶店で巻き起こる人間関係をゆるゆる描く短編SSです
基本的に後先考えず気の向くまま適当に進行しています
TS要素は既に形骸である。あえて言おう、ただのSSであると!

ネコス60

 みなさまこんにちは。
 変身喫茶「ネコス」の美人マスターです。ここがお店でなくても美人マスターです。

「と、いうわけで私は今、マイシスターの通う学校にいます」
「説明乙ww」「おっおっおっww」
 隣から、残念極まる口調の美少女達の声が聞こえてきます。
 そう、「達」です。複数形です。
「兄さん……なんでここに……」
 青葉ちゃんが、ものっ凄い嫌そうな顔で私を睨んでいます。
 というか、私が教室に入ってきた瞬間からずっと不機嫌そうです。可愛い顔が台無しです。
「あー……失礼ですが、どちらさまで?」
 教壇に立っている疲れた感じの若年教諭が、おそるおそる私に尋ねます。そういえばアポを取っておくのを忘れてました。
 マスターうっかりさんです。てへぺろです。
「妹がいつもお世話になっていますです~。私、喫茶店ネコスの美人マスターこと、青葉ちゃんのお姉ちゃんです」
「あ、ああ、ご家族の方でしたか。これは、どうも」
 私の身元が判明するなり、教師はぺこぺこと頭を下げました。
 逆に、机に座る生徒さんたちはざわざわと囁きあってます。
(先生弱っ)(っていうか名乗ってなくない?)(さっき青葉、兄さんって…)(いや、それより後ろの猫耳集団はなんだよ?)
 やはり一番の注目は、私がつき従える猫耳美少女の集団みたいです。
 実は彼女たちは、夕べ私のお店に集まった野良猫が変化した姿です。コーヒー豆を直接摂取することで、長時間の変身が可能だと発見した私は、彼らに取引を持ちかけました。
 それは、「青葉ちゃんのお化け屋敷の手伝い」です。
 本物の猫又がお化け屋敷を手伝うのならば、それはさぞかし恐ろしい出来栄えになることでしょう。
 見返りは一月分のエサでいいのですから、それで私のお姉ちゃんとしての威厳が保たれるのならば安いものです。
「というわけで青葉ちゃんのクラスメイト諸君。この猫耳美少女達が、あなたたちの文化祭をより良いものに仕上げてくれます!」
<お、おぉ~…>
 私の言葉に、生徒諸君は微妙にやる気のない歓声を上げました。
(猫耳って、狙いすぎじゃね?)(お化け屋敷っていうよりメイド喫茶向きだよな)(あの耳、本物? なわけないよな)
 なんか、全然感謝されてないっぽいです。むしろ私がKYなことをやってしまったみたいな雰囲気です。
「ニンゲン共よ!」
 ダン! と教壇の机の上に立ったのは、中二病モード全開の、ネコミミ猫尻尾のボブヘアオッドアイ右手包帯美少女です。
 これが元はオスの野良猫だといって、どれほどの人が信じてくれるでしょうか。
「我ら『夢幻の猫達』が、藻前らに力を与えよう! ここをぬこの楽園を築くための拠点とし、ぬこの力で人類を凌駕するのだ!」
「何しれっと生存競争の下克上宣言してやがりますかこの駄猫ーーー!?」
「猫の楽園……いいなっ」「お、俺、あの猫耳さんに協力しようかな……」
 生徒さんの一部が乗り気です!? 生態系の法則を乱す事案だということがわかっていないのでしょうか!
「猫の……楽、園?」
 黄吉の言葉を聞いた青葉ちゃんは、体と声を震わせて、ゆらりと立ち上がりました。
「あ゛」
 マスター、思い出しました。そして大失敗です。
「親衛隊(笑)! 全面戦争の用意を」
「ははっ!」
 青葉ちゃんの号令と共に、クラスメイトの半数が席を立ち、教室を出て行きました。
「にゃ、にゃんだ?」
「あははー。マスターは怖くなったので帰ります」
 うちの青葉ちゃんは、大変猫嫌いです。猫・即・殺を掲げているような娘です。
 そんな妹の前で猫の楽園なんて言葉を吐いたが最後、どうなるかわかったもんじゃありません。
 そそくさと廊下に出て、私は青葉ちゃんのいた教室を振り返ります。
「猫派の私としては、『夢幻の猫達』が生還できるよう祈っていますよー」

「交渉決裂……か。では同志諸君! 人類に猫の力を見せ付けてやろうぞ!」<にゃー!>
「猫畜生に人類が敗れる未来など! 爪や牙がなくとも、私達には道具とそれを扱う知恵がある!」<青葉様ー!>
「「さあ、戦いをはじめよう!」」

 ――――数日後。
 青葉ちゃんのクラスは、「猫人間vs人類」という題目の創作演劇を発表したそうです。
 リアルな描写と鬼気迫る演技に、文化祭最優秀賞を獲得したとかしないとか。
「戦争とは虚しいものですね、兄さん」
 顔のあちこちに傷テープを張った青葉ちゃんが、コーヒーを飲みながら、そんな達観した台詞を言いました。




いつのまにやらシリーズ化していた文化祭編、終了です
もうすぐ12月なのにとか突っ込んじゃいけませんです
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Author:巫

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・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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