ネコス68

TSした喫茶店のマスターが織り成す
ぐだぐだストーリーです

ネコス68

 みなさまこんにちは。
 変身喫茶「ネコス」の美人マスターです。今日もウチの閑古鳥は元気いっぱいに鳴いています。
「閑古鳥って、一体どんな鳴き声なんでしょうね?」
「……ふん」
 私の純粋無垢な疑問を、バイト美女のユカリちゃんは一蹴してくれました。
「ゆーかりちゃーん?」
「ホールの補充してくる」
 名前を呼んでも、彼女はつっけんどんな反応で、ホールに行ってしまいました。
 彼女は最近ずっとこんな調子です。仕事はしてくれるのですが、前みたいに私のたわごとに付き合ってくれなくなりました。
 たわごとと自覚しているのなら自重しろ? 断りますです。
「やっぱり、この間のケンカですよね……」
 つい先日、私はキャラが薄いという話で、ユカリちゃんとすれ違ってしまいました。
 私はケンカは嫌いなので謝りたいのですが、何を謝れば良いのかがわかりません。
「少なくとも、私に非はないはずですよねー」
 ユカリちゃんのキャラが薄いのは事実ですし、むしろ彼女のためにいろいろと画策しようとしていた私は褒められるべきだと思います。
 理由がないのに下げる頭を私は持っていないのです。えっへん。
「どうにか機嫌を直せればいいのですが……」

────カラン

「入り口の来客鈴が鳴りました」
「その通り。そしてこの僕の来店さ愛しい人」
「……いらっしゃいませです」
 店に来るなり心の声を読むんじゃねーですウザ客。
「ふっ、今日も君は、僕にだけの特別な接客をしてくれるんだね嬉しいよ」
「店員の仏頂面とトーンダウンした声がご褒美なんて、さすがの変態ですねー」
「勘違いしないで欲しい。僕は、君だからこそ、そんな態度でも喜びに変えられるのさ」
 うぜーです。
 何で私は、こんなHENNTAIに好かれてしまったのでしょう。
「ところで今日は一人なのかい? まるで昔に戻ったようで懐かしいね」
「何言ってやがるですか。とうとうメクラになりましたか?」
 あんな絶世の美女が目に入らなかったとか、この男、人として終わっています。
「思い出すなぁ……覚えているかな? 僕が初めてこの店に入ったときの言葉」
「店のドアを開いた瞬間、某生徒会の副会長っぽく告白されましたねー。抹消したい記憶リスト堂々の一位です」
「ありがとう、これからも僕は君の中の一位を譲る気はないよ」
 キモイです。誰か助けてください。
「……そーいえばユカリちゃんが見当たりませんねー」
 いつもなら真っ先にこのウザ客の相手をしてくれるのですが……ケンカ中だから、ウザ客の対応を引き受けてはくれないのでしょうか?
「かもーんユカリちゃーん」
 店内に向けて名前を呼んでも、やっぱり返事がありません。というか姿が見当たりません。
 そんなに広い店ではないので、カウンターからだって客席のほとんどが窺えるはずなのに……。
「ユカリちゃん? 彼女がいるのかい?」
「ええ。……赤井さん。ちょっと、ユカリちゃんに呼んでもらえます?」
 あの子は真面目ですから、お客さんが呼べば出てくると思います。
「了解だよ。……ユカリちゃん、オーダーいいかな?」
 ………………。
 返事がありません。ただのしかばね…………縁起でもありません!
「ゆーかりちゃーん?」
 私はカウンターから出て、死角になる位置に向かいます。
「いったいどうしたんだろうね?」
「ナチュラルについてこないで下さい」
 大人しく座ってやがれです。もしくは帰ってください。
「ゆか……」
 赤井さんと一緒に死角のテーブル席を覗き込んだ瞬間、私の言葉は途中で止まりました。
「…………」
 絶世の美女が。
 床に倒れていました。
 頭から、真っ赤な血を流して。
「ユカリちゃん!?」
「落ち着くんだマスター。下手に動かさない方がいい」
 倒れる彼女に駆け寄ろうとした私は、赤井さんの手によって阻まれました。
「大丈夫、息はしている。まずは救急車。それから事件の可能性を考慮して警察にも連絡だ」
「あなたっ、良くこんなときに冷静でいられますね!?」
「慌てても何も解決しないからさ。それに、こういう光景は見慣れている」
 コイツは本当に何者なんでしょう。っていうかもうコレが犯人でいいです。警察にそういって突き出してしまいましょう。叩けばいろいろ出てくるはず……って、そんなことよりまずはユカリちゃんです!
「ええ~と117……177? 911でしたっけ!?」
「マスター。この国で救急車は119だ」
「嘘です! それは消防車の番号です!」
 マスターは混乱しています。私は平和が好きなので、こーゆーのに慣れていないのです!
「う……」
「あ」
 ユカリちゃんが起きました。
 血を流している頭を押さえながら、うめき声を上げています。
「つ……いったい、何が……」
「それを聞きたいのはこっちですよ! ユカリちゃん!」
「ユカリ……?」

 ユカリちゃんは、自分の名前を、きょとんとした顔で復唱しました。
 そして────。

「それは私の孫娘の名前だ。なぜ知っている? ……ってなんじゃこの声!?」

「( ゚д゚ )」
「( ゚д゚)」
「( ゚д゚ )」

「おお、髪が。ふぉっ!? 胸もある!」
「TSキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
 ユカリちゃんの安否より自分が萌えることを優先しました。
 流石にちょっと自己嫌悪です。しょぼーん。




またストーリーモノです……
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巫

Author:巫

・TS好きのはしくれ
・小説モドキを主に不法投棄します
・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

・当ブログのリンクはご自由にどうぞ
・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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