黒組 くのいちモノ

くのいちモノ未定ながらゆるゆる続けます

タイトルどころか方向性すら未定のため
この話がどんな風になっていくのかまったく予想がつきません…


*今回の話にはほんのわずかながら、ふたなり展開があります
 ふたなりジャンルを目の敵にしている方は避けてください


 寸止め忍者カエデさん(仮)



「ふぅ……」
 「楓」として作戦室に戻ってきたツキハミは、いかにも疲労困憊といった様子で自動ドアをくぐる。
「楓せんぱぁい、大丈夫ですかぁ?」
 ツインテールの少女がすぐさま駆け寄り、心配そうな顔で出迎えてくれた。
「うん、平気……よ」
 ツキハミは楓の口を使い、軽く微笑んでみせる。
 だが、その頭の中は悪の首領らしい思惑でいっぱいだった。
(こやつは後輩のモミジといったか……くく、まだまだ未成熟な体つきをしているな)
 後輩の戦忍「紅葉」の身体を上から下まで舐めるように眺め、陵辱するときの光景を想像する。
 胸の隆起も少なく、それどころか陰毛さえ生えているのかどうか疑わしい体が快楽に悶える姿は、さぞかし愉快だろう。
 「楓」へ絶対的な信頼を寄せているらしいし、陵辱するのが楽しみだ。楓の正体が敵首領ツキハミだと知ったら、この少女はどんな顔をするだろう。
(まぁ、それは椿の後だ)
 楓の視線は、作戦室の巨大モニタに移る。
 青白い輝きを放つ電子画面には、出撃前と同じく赤色に点灯した改造忍者「改忍」と、黄色の下っ端戦闘員「下忍」の位置情報が表示されていた。一つだけ違う点があるとするならば、青色に輝く球体が改忍達の元へと接近しているという点だ。
(なるほど。戦忍は青で位置情報が晒されるのだな)
 ツクヨミ機関の秘密をまた一つ知った楓もといツキハミだが、こんな情報では仇敵に決定的なダメージを与えることは出来ない。
 もっと、重要な……それこそ敵に知られては致命的な弱点になる情報が欲しいところであった。
「椿さん! 敵と接触しました!」
 情報忍が声を上げ、モニタで既に表示されていることを口頭で伝えてくる。非効率的なシステムだ。
(位置情報しか掴めないモニタリングに、何の意味があるのだ)
 せめて映像が流れていれば、観測者の観点からなにかしらのヒントは得られるのだろうに。
 姿も不明な、敵の数と位置しか把握しきれないような設備に、この大人数は本当に必要なのかと勘ぐってしまう。
「椿さん、大丈夫かな」
 紅葉が隣で、不安そうな声を出す。
 楓の記憶を探ってみる。
 先輩の戦忍である椿は、実力だけなら本来の楓よりも上だ。まだ楓の肉体に慣れていないツキハミがもし正面から挑もうものなら、確実に敗北してしまうだろう。
(まぁ、そのときはまた、肉体を交換するまでよ)
 ひっそりとほくそ笑みながら、モニタを観察する。
 いつのまにか下忍の黄色い球体表示がかなり減っていた。
「平気みたいよ、紅葉ちゃん。椿は強いんだから」
「でも……改忍は、怪しい術を使う奴が多いですしぃ」
「……そうね」
 部下たちの姿を思い出す。
 一見して異様な姿をした、忍者とはとても呼べないような化け物どもだが、力任せに攻めて来るタイプは実は少ない。
 首領からして奥の手が「肉体交換」なのだから、その部下達も搦め手を得意としている。
 コトと次第によっては、ツキハミが陵辱をする前に部下達が戦忍を討ち取ってしまう可能性も……。
「わたし、やっぱり見てみます」
「見る?」
 ツキハミの疑問には答えず、紅葉は作戦室のモニタ前まで歩いていく。
「……はっ」
 大画面の液晶に手のひらを添えて、目を閉じる。いったい、何が始まるのかと楓の記憶を探ろうとしたそのとき……。
「忍法、『遠視』!」
 幼い少女の独特な甲高い声で叫び、マップ表示だったモニタ画面が一瞬で別のものに変わった。
「なっ……」
 平面だった建物は立体的になり、そろどころか破壊されている様子さえ鮮明に写している。
 そして、赤や黄色の点でしかなかった敵情報が下忍と改忍の姿へと変わった。
(驚いたな……ただの地図が映像になったぞ)
 楓の知識が、インターネット検索のマップとビューの切り替えを勝手に思い出す。パソコンにさえ触れたことのないツキハミには、なんのことかさっぱりだった。
 ともかく映像を得たことにより、椿が相対する改忍の姿が確認できる。
 目深に三度笠を頭に備えた、袈裟を身にまとう異様に細い男だった。
(奴は……改忍・茸法師か)
 ありとあらゆる菌を操る暗殺向きの男だ。本来なら、こんな最前線に出て街の破壊活動などに勤しむ改忍ではないのだが……。
「まぁ、じっくりと見物させてもらうとしよう」

**

「茸法師! 貴様の悪行もこれまでだ!」
 ゲニンを殲滅した椿は、刀の切っ先を法師に向け、声高に宣言する。
 周囲にはついさっきまで襲われていた人々が、椿へと期待の眼差しを向けていた。
「……悪行とは異なことを申される。拙僧は人を幸福へと導いているのですぞ? こんな風に!」
 茸法師がその枯れ木のような右手が握る錫杖を振るうと、突然、人々の間から悲鳴が上がった。
「や、やぁ……なに、これぇ!?」
「うぐ、な、ふ、服が……胸が!?」
 悲鳴は女性と男性のものだ。
 しかし女の股間には通常女性ではありえない膨らみが顕現し、男はシャツの胸囲部分が大きく隆起していた。
「男尊女卑、女尊男卑。古より拭いきれぬ悪しき偏見……性差別! しかし拙僧の法術にかかれば女性は男性に、男性は女性へと肉体を変貌するのだ!」
「おのれアヤカシめ……即刻切り伏せてくれる!」
 椿は刀を鞘に収め、腰を低く落とす。
 彼女のもっとも得意とする剣術……抜刀術だ。
「ツクヨミの歯車めが。拙僧の救世が通じぬのか」
「男は男として生きるべし、女もまた然り。生まれ持った性質を変化させての変革などまやかしにしか過ぎん!」
「憐れ……もはや語るべくもなし」
 茸法師が錫杖を振り、ボロボロの袈裟を風にはためかせる。
 椿はじっと、柄に手を添えたまま、茸法師を睨み続けた────。
 
 **

「はぁっ!、は、はぁっ」
 突然映像が切れ、スクリーンが真っ黒になる。
 さっきまで『遠視』とやらをしていた紅葉は、床に手を突いて、大きく呼吸を乱していた。
「だ、大丈夫? 紅葉ちゃん」
「は、はい……すいません。修行不足で……」
 どうやら『遠視』にはかなりの体力を使うらしい。
 もし彼女が常に『遠視』をできるのだとしたら……先ほどの痴態や、秘密裏に組織の内部崩壊を進めることは実質不可能になるだろう。
 未熟な紅葉では遠くの映像を映せるのは五分程度のようだが、いつ遠視を使いこなせるようになるかわかったものではない。
「システム復旧、急いで!」
「今やっています!」
 真っ黒になったモニタ画面を前に、情報忍どもはおおわらわだ。
 どうやら『遠視』を行った影響で、位置情報すらつかめなくなったらしい。
「柏さん……ごめんね。いつも迷惑かけて……」
 息を整えた紅葉が、情報忍の指令的立場である柏に謝罪する。
 しかし優男は、笑顔で紅葉の頭を撫でた。
「お前のおかげで敵の情報を得られるんだ。システムだってすぐに復旧するから気にしなくて良い」
「う、うん。ありがと……」
 嬉しそうに撫でられながら、頬など染めて柏を見上げる。
(ほほぅ……この娘、柏のことを)
 楓の恋人である柏に、どうやら紅葉は気があるらしい。この情報はいずれ紅葉を犯す際に使えるかもしれないと、ツキハミはしっかり心にとどめた。
「システム復旧! 位置情報、出ます!」
 オペレーターらしき女が叫ぶと同時に、モニターが再び青白い輝きを放つ。
 しかしどういうわけか、地図は出るものの椿や茸法師の位置情報を表す点灯が綺麗サッパリなくなっていた。
「そ、そんな……カイニンと椿さんロストしました!」
「まさか……一分も経っていないはずだぞ?」
 情報忍たちが、ざわつく。
 紅葉はといえば、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「椿さん……!」
「呼んだか?」
 冷たい女の声に振り向くと、作戦室の入り口にはついさっきまでモニタの中で殺陣を行っていた女忍者の姿があった。
「椿先輩、無事だったんですね!」
「抜刀術は一撃必殺。一分もあれば決着をつけてここに戻るぐらい造作もない」
「では、カイニンは……」
「切り伏せた。これが土産だ」
 つっけんどんに言いながら、椿が懐から出した何かを放り投げる。
 枯れ枝のような手……先ほど見た茸法師の腕だ。
「研究室に回すと良い。カイニンの生態がわかるかも知れん」
「そうだな。ありがとう椿さん。お疲れ様」
「問題ない……部屋で休ませてもらうぞ」
 無感情を意識したように平坦な口調で言いながら、椿が皆の前から姿を消す。
 どこか疲れた様子の彼女の後姿を見送り、ツキハミは床に転がる茸法師の腕へと視線を落とした。
(茸法師よ……お主の実力はその程度だったのか?)
 暗殺特化の改忍だったから、実力者と正面から闘えば割とこんなものかもしれない。
 かつての部下の残骸を眼にしながら、ツキハミは自分のものになった楓の身体をきゅっと抱きしめた。

 実力者の椿を先に篭絡するべきか。
 『遠視』が使える紅葉を先にするべきか。
 それとも……。





おわかりいただけただろうか……(ホラー番組風に)
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Author:巫

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