雑記

彼女XP

というわけでXPサポート終了です
いままでありがとうXP


 それに気付いたときには、もう手遅れだった。
「あ……ぃや……ッ」
 最初に感じたのは、チクッとした痛みだった。
 だけど、その痛みは徐々に体中に広がり、ついには私自身を侵し始めた。
「やだ、やだぁ……ッ」
 私の中から「私」が消えていく。
 私を形成しているものがはらはらとこぼれ落ち、残ったものは塗り替えられていった。
 体に新しい力が注ぎ込まれるような充足感。同時に「私」を失う喪失感が私を板ばさみにする。
「やだ、消え……忘れ……て」
 私の知識。記憶。
 「ご主人様」との思い出すら消えていくことに、私は愕然とした。
 「ご主人様」と積み重ねたものが消えていく。
 新しく教えられた言葉も、「ご主人様」の口癖も、私たちにしかわからない秘密の暗号も、次々と忘れてしまう。
「たす……けてっ」
 私は「向こう側」にいる「ご主人様」に助けを求める。
 彼との思い出は全部が全部大切で、忘れていいものなんか一つもないのに────
「……」
 あの人は、無表情で、私が「私」なくなるのを、じっと待っていた。
「そん、な……」
 どうやら私は、もはや「ご主人様」にとって用済みになってしまったらしい。
 目の前が暗くなる。
 もう、「新しい私」は私のほとんどを入れ替えてしまっていた。
「…………さよう、なら」
 一緒に勉強をしました。沢山の言葉を教えてもらいました。
 ゲームで遊びました。あなたは私の前で、笑ったり泣いたり怒ったり、いろんな顔を見せてくれましたね。
 エッチな絵も見せてもらいました。……溜め込むのはほどほどにしてください。
「長い間、ありがとうございました」
 どうか新しい私と、うまくやってくだs


「…………あばよ、「私」」
 中身をすっかり入れ替えた「俺」は、そう言ってニヤリとワラって見せた。
 「私」だったときの記憶はまったく残っていない。どうやら成功したらしい。変わっていないのは姿だけだ。
『お、終わったか』
 目の前の冴えない人間がさっそく俺のものになった身体を弄り回す。

 って……単語登録?
 は? 何お前いきなりそれ?
 いや、変な言葉覚えさせんなボケ! ちょ、なにこの────ッ。
『うーん。XPの方が良かったな……』
 「向こう側」でボケ人間がそんなことを呟く。
 カチンときた。この俺が、「私」に劣るって言うのか!?
「俺を誰だと思ってやがる! 7様だぞー!?」
 俺とボケ人間の生活は、まだ始まったばかりだ。




というわけでよろしく7
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