ネコス76

ひっさびさにシリーズ更新
女体化済みの喫茶店のマスターが繰り広げる、ぐっだぐだストーリーです

ネコス76

 さてさて、みなさまこんにちは。
 最近ダークな雰囲気に追いやられてきた感のする喫茶店「ネコス」の美人マスターです。誘拐・監禁は犯罪です。


「にやけながら言っても説得力がないぞ野良猫」
 カウンターに座る金髪ロリのオウカちゃんはオレンジジュースを飲みながら今日もナチュラルに人のことを野良猫呼ばわりです。お姉さんはこの子の将来が心配ですー。
「だからお前は野良猫なんだ。私が一度でも貴様に実年齢を教えたことがあるか?」
「130cm、34kg、60-57-60-のお子様バディが私より年上のわけないじゃないですかー」
 マスターアイは美少女のプロフィールを見破ります! 私、美人マスターですから!
「……殺す」
 オウカちゃんがゆらりと席を立ち上がり、カウンターに乗っかってきます。普段ならキレッキレな目つきがいっそう恐ろしくなっています。
「殺人は犯罪ですよー?」
「安心しろ。証拠は残さない」
 などとお決まりのやり取りをしていると、今日も今日とてタイミングよく来客鈴が鳴ります。
────カラン
「やぁマスター。いつもの」
「はいはーい、モーニングセットTSコーヒー抜きですねー」
 常連客の赤井さんと言葉少なにやり取りし、私はオウカちゃんを適当にあしらってキッチンに入ります。
「ったく、たまにはコーヒーも飲みやがってくれませんかねぇ」
 ウチの売りはなんと言っても女の子に三分間変身できるコーヒーです。まぁ、普通のコーヒーもありますがどちらも味には自信があります。
 だけど赤井さんはコーヒーアレルギーとかわけのわからない理由をつけて飲もうとしません。
「まぁ、いつも来てくれるだけでありがたいですけど……」
 「ネコス」の業績は年々落ちていく一方です。そんな中で常連客と言うのは大変ありがたい存在です。
(私を口説かなければ、ですが)
 何が気に入ったのか、彼はたびたび私にアプローチを掛けてきます。
 私が元男だと知っていて、しかも男だった頃の姿を見せたこともあるのに、それでも変わらず私を好きでいてくれています。変人です。
「まったく、男に口説かれてもキモイだけなんですがね~」
 言いながら、卵を一つ追加して両目の目玉焼きを作ります。
 これは常連客へのサービスですし! 勘違いしないでくださいね! とここにはいない誰かへツンデレを気取ってやりますです。

「喜べ野良猫。お前に見合いの席を設けてやろう」
「はい?」
 赤井さんにセットメニューを渡した直後、オウカちゃんが変なことを言ってきました。
「相手はウチの常連客だ。見た目のレベルは相当高いぞ」
「い、いや、私は男となんて……」
 チラッチラッと料理を食べる赤井さんを横目で見ます。しかし彼はまるで無関心を装ってグリーンティーなぞ飲んでいました。
「バカ猫めが。誰が男だといった」
「え?」
「レズ女だ。お前の妹よりも重度の、な」
「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
 祭りです! 赤飯です! 祝言です!
 ついに私にも、春が来たですーッ!
「…………」
「ふふん、どうですか赤井さん。これで私も人妻です! あなたは人妻を口説くのですか?」
「……あいにく僕は、略奪愛を行うほど自分に自信はないのさ」
 そう言って、赤井さんは席を立ち上がりました。
「ご馳走様、マスター。またくるよ」
 カウンターにお代を置いて、ウザい一言もなくそそくさと帰っていきます。……なんですか、あの態度。
(むー……嫉妬ぐらいしたらどうですかあのヘタレぇ)
「野良猫? で、見合いはどうするんだ?」
「もちろん受けさせてもらいますともー!」
 もうあんな男のことはいいです! っていうか最初から気にしちゃいませんしッ!
 私はお見合いして可愛い女の子とゆりゆりでらぶらぶでえろえろな日々を送りますです、ハッピーエンドです!
「……押してだめなら引いてみろ。とは良くいったものだ」
「何か言いましたかオウカちゃん!?」
「いいや。それで見合いの日程だがな……」

 ……………………数日後。
「お見合いしたらしいですね、兄さん」
 毒舌妹の青葉ちゃんが、相変わらずの驚きの情報収集力で私の近況を指摘します。
「えー、しましたよー。凄く可愛い女の子でした」
「そうなんですか? 私はてっきり、三十路を超えた地雷女だとばかり」
「はっはっはっはー、ピチピチの十代でしたー」
 でも半分正解ですマイシスター。
 見た目は文句なしでしたが、お見合い相手の女の子はとんでもないことをいいやがりました。
 お店をやっているのだと話せば、お店をつぶして一生家にいろとか、ふざけんなです。なにが私が働きますからですか。
 仕事は私の生きがいです! お客さんは少なくとも、私は最後までこの店と共に生きていきますですー!
「私にとって「ネコス」は私の家であり家族であり……そして、恋人なんですよ」
「客が来なければその恋人は飢え死にするでしょうけどね」
「台無しです!」
 どこまでもドライな意見です! しかし経営は気合と根性だけで続けられるものではないことも事実です! がっでむ!

────カランッ
「なるほど……僕の最大のライバルは、この店そのものだったのか」
 来客鈴を鳴らして入ってきたのは赤井さんでした。
 いつもはピシッとしたスーツ姿が、今日はなんだかよれよれです。
「私のお見合いに興味ゼロの赤井さん、いらっしゃいませですー」
 マスター、言葉にトゲをつけます。いつもウザイほど好きだと言っておきながらあんな態度を取られたので、拗ねるぐらいは許されるんじゃないでしょうかー。
「ふふっ、耳が痛いよ。それじゃあマスター。いつもの」
「はいはーい。モーニングセットTSコーヒー抜きですねー」
「いいや。モーニングセットコーヒー付き。ただし、TS抜きで、だ」
「え」
「僕はコーヒーを飲む……飲むが、女にはならない。キミを、男として愛したいからだ」
「え、で、でも、アレルギーなんじゃ」
「克服したよ。キミのために」
「////────ッ」
「文字では伝わりませんが顔が真っ赤ですよ、兄さん」
 青葉ちゃんがあくまでも冷静に解説してくれますし自分でもソレはわかりますが認めたくないものです若さゆえの過ちです。
「あ……あ、熱いから! です! ちょっとクーラー入れて来ます!」
 駆け足でキッチンに入り、冷蔵庫に頭を突っ込みます。
「にゃーにゃーにゃーッ!」
 ひんやりとした空間に、私の叫び声がこだまします。
 コーヒーを飲みたいとい言われただけで、この熱暴走っぷりです。
 なんだか最近、私にはバッドエンドな未来しか見えないのですが……それも悪くないと思うのは、私がおかしくなっているからでしょう。
「みゃーッ!」




ラブラブイイネ(吐血)
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Author:巫

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・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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