TS昔話3 花咲爺

昔話にTS要素を足して
いろいろアレな感じに改変したショートショートです
なんだかんだでやりやすいのでライトなシリーズモノになりそうです
とはいえ諸事情により頻繁に更新できそうにはありませんが
せめて広告回避程度には更新していきたいです


TS昔話3 「花咲かじいさん」

 むかしむかしあるところに、良いおじいさんがいました。
 おばあさんを失ってから錬金術にハマったおじいさんは、言葉を喋る犬を生み出し、その犬をケルと名づけたいそう可愛がっていました。

 ある日、庭の畑でケルが「主様。ここを掘って下さい」というので掘り返してみたところ、なくしたはずの高価な指輪が出てきました。
 それを見た隣の家に住む悪いおじいさんは、犬を貸してくれと言い強引にケルを連れて行きました。
「ワシはな、千両箱をなくしてしまったのだ。さぁケルよ、どこに埋まっているのか教えておくれ」
「下等生物め。その程度の嘘を見破れぬとでも思ったか」
 犬畜生に馬鹿にされ怒った悪いおじいさんは、昔ならした得意の居合いでケルの三つ首を全て跳ね飛ばしてしまいました。

 しばらくすると、ケルを返しておくれと良いおじいさんがやってきました。
「ふんっ、あのような妖怪変化、このワシが成敗してくれたわ!」
 良いおじいさんの元には、首の無いケルの亡骸が返されました。



 悲しみにくれたおじいさんは、ケルの亡骸を庭に埋めました。
 すると、ケルを埋めた場所からにょきにょきと木の芽が飛び出してくるではありませんか。
 木の芽は物凄い速さで成長し、あっというまに立派な大樹になりました。
「これは凄い……おう、そうじゃ」
 良いおじいさんは、そういえば家にあった檜のお風呂が壊れてしまった事を思い出しました。
 この摩訶不思議な大樹で作った風呂に湯を張れば、それはそれは素晴らしい効能をもたらすのではないか? そう考えたおじいさんは、善は急げとばかりに鎖ノコを使って大樹を切り倒し、立派な樽風呂を作り上げました。

「あぁ~、生き返るのぅ」
 地下から源泉を汲み上げ、おじいさんはゆっくりとお湯に浸かっていました。
 すると、おじいさんの血行が促進され、曲がっていた腰が瞬く間にまっすぐになっていきました。筋力や肌の艶も二十代の頃に戻り、節々の痛みやかすれた視力も回復していきます。
 なんと、おじいさんは失われたはずの若さを取り戻したのでした。
「これはすごい」
 それを見ていたお隣の悪いおじいさんは、おじいさんから樽風呂を借りてお風呂に入りました。
 するとどういうことか、ためていたお湯がすぐに冷水へと変わり、悪いおじいさんは風邪を引いてしまいました。
「これは、人を死に至らしめる地獄の風呂桶だ! 即刻処分せねば!」
 風邪で意識が朦朧としながらも、悪いおじいさんは居合い斬りに火炎属性を付与して焼き払いました。

 しばらくすると、風呂を返しておくれと良いおじいさん改め良い青年がやってきました。
 青年の手には、灰となった木風呂の燃えカスが返されました。



 それから月日がたち、村にお殿様がやってきました。
「ここに凄腕の錬金術師殿がいると聞いてやってきた。実は、頼みがあるのじゃ」
 お殿様の話によると、早く花見がしたいから河原の枯れ木に花を咲かせてほしいというお願いでした。
 良い青年はお殿様の頼みに快くうなづき、研究を重ねていた木風呂の灰を手に枯れ木の場所へと赴きました。
 その話を隠れて聞いていた隣の家に住む悪いおじいさんも、二人の後を付けていきます。

 河原にたどり着くと、青年は木によじ登って声高に叫びました。
「さぁ! 枯れ木に花を咲かせましょう!」
 青年が持ってきた灰を枯れ木に投げつけると、なんと枯れ木だった枝に一瞬で桜の花が咲きました。
「これはすごい、褒美を取らすぞ」
 お殿様は満足そうです。
 それを聞いた悪いおじいさんは、嫉妬に狂い、ついに物陰から飛び出してきました。
「将軍様! ワシだってあのぐらい出来まさぁ!」
 そういって木の枝に登り、良い青年から灰を奪うと空中に撒き散らしました。
「老木に花を! 老木に花を! 老木に花をぉ!」
 必死に枯れ木のような腕を振り、灰を撒いていきます。
 しかし散布されたはずの灰は、宙に浮いたまま動こうとしません。
 やがて灰は光の粒子になり、悪いおじいさんの身体を覆いつくしました。
「ぐあああああああああああああ!!」
 断末魔の悲鳴を上げて、輝く灰色の粒子に包まれたまま木から転落します。
 お殿様たちは灰が意思を持って人間を襲ってきたような光景に恐れおののき、一目散に逃げ出しました。
「おおっ、お主は……!」
 良い青年は、粒子の中から現れた人物に驚愕します。
 なんと悪いおじいさんは、良い青年の妻だった女性の若い頃にそっくりな姿になっていました。
 二度と会えないと思っていた愛する人との再会に、青年は涙が止まりません。
「お、おまえーーーッ」
「寄るな気色悪いッ! なんでワシが女になっとるんじゃあ!?」
 残念ながら人格は悪いおじいさんのままでしたが、そんなことは問題ではありません。
 二人とも、もう老人ではありません。
 悪いおじいさんを『女』にしていく時間はたっぷりあります。
 錬金術師の青年と、ツンデレな少女の物語は、今から始まるのです。

 めでたしめでたし。




原作の爺がサイコ野郎なのは言うまでもありません
なんで脈絡なくウス作って灰を振り撒いているんだよ。怖ぇよ
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Author:巫

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