ネコス10

変身が主になっている短編SSです
後先考えずゆるーい感じで進行しています


ネコス10 ~記憶喪失の元少年との夜

 みなさんこんばんは。
 変身喫茶「ネコス」の 美 人 マスターです。ええ、完膚なきまでに私は美人です。
 ところがその私の美しささえ霞んでしまいそうなほどの麗人が、ついに現れました。


 そう、ご存知ネコスの住み込みバイトにして記憶喪失の元少年、ユカリちゃんです。
 彼女のもっとも美しい箇所である髪にちなみ、紫(ユカリ)と名づました。
 元少年は女の名前なんて、と反抗しましたが、本人も自分の名前を忘れているのだし、今のその姿を男性名で呼ぶ気なんてさらさらありません。
 とにかく、いまの彼は間違いなく女の子で、私が見惚れるほどに綺麗な少女であることは疑いようもないのです。
「…………はぁ~」
 お店の片付けも終わり、居住区に戻ってきた私を陰気なため息が迎えます。
「? ……何見てんだよ」
 テーブルにヒジをつき頭を抱えていたッ少女は、私が入ってきたことに気付いたのか、顔を険しくさせて睨みつけてきます。
 ふむ、どうも嫌われたっぽいですが、なぜでしょう。
 住む場所食べる場所を提供してあげた恩人に対して、この態度はあんまりだと思いますが。
「あははー、そんな、あからさまに距離をとろうとしないでくださいよぉ」
「む、胸とかさわんだろ、お前」
 わずかに顔を赤らめ、両腕で自分の胸をかばいます。
 彼女のそれは、大きすぎず、かといって小さくはない、平均よりも大きいといった程度の、ハリのあるおっぱいでした。
「うぇへへへへへ……」
 昨日揉んだその感触を思い出し、恍惚に浸ります。
 最初はサイズを測るため、という建前で彼女もおとなしくしていました。
 しかし二度目ともなれば警戒されてしまい、さらにしつこく食い下がりいやらしく揉んでやりましたが、それが気に入らなかったのでしょう。
 以来、私は近づくことさえさせてもらえなくなりました。くすん。
 親睦を深めたかっただけじゃないですかぁ。怒るなんて、よ・く・な・い・ぞ☆
「…………なんか、すっげぇ寒気した」
「おやおやーそれはいけませんねー。それじゃ、お風呂に入りましょうお風呂。ぐふふふふ」
「いや、アンタきもいよ」
「女の子の身体はデリケートですからねー。きちんとした知識を持ってやさーしく洗わないといけませんからねー」
「ついてくんなよ? 昨日も言ったよな。ついてくんなよ?」
「うへへー。まあ、お風呂でひとり悦楽に浸りたい気持ちもわかりますけどー。私と一緒に入って、あわあわプレイに興じるのも悪くはないと思いますよー」
「はぁ……」
 彼女は深いため息をついた後、戸棚に置いていた梱包用のビニール紐を手に取りました。

「あはは、今夜も縛りプレイですかー」
 両手両足をビニール紐で縛られリビングの床にごろりと転がされても、笑顔は絶やしません。
 だって私は、女の子が大好きな美人マスター! 美少女の行動はどんなことでも許せます!
「『可愛いは正義』ですが、そうなると『綺麗は服従』になるのでしょうかねぇ」
 ユカリちゃんは私の用意してあげたバス具一式を抱え、リビングを出て行きました。
 ということで私はいま独りです。けど、以前のように寂しくはありません。
 耳を澄ませば聞こえるお風呂場の水音にハアハアで忙しい……というのもありますが、一番の理由はきっと、こうして縛られているからでしょう。いえ、マゾというわけではありませんよ?
 独りでは自分を縛ることも出来ません。つまり今の私の状態は、誰かと一緒にいたからこそ成し得ているわけです。
 ちょっと変な状況ですけど、やっぱり嬉しいものですねー。
「ぬわあああああああああああああああっっっっ!!!!」
 私が『誰かと共にいる』ことに充足感を感じていると、ふいに、お風呂場からユカリの男らしい悲鳴が響きました。
「なっ、ど、どうしましたか、ユカリちゃん! ユカリちゃーん!?」
 口しか自由にならない身体で、私は必死に叫びます。


 ……どのくらいたったのでしょうか。
 私が自分の身にビニール紐を食い込ませ、それでもほどけずじたばたとしている間に、パジャマを着たユカリちゃんが戻ってきました。
 何があったのかと聞いても、ユカリちゃんは黙って私の紐をほどいていくだけです。
「ユカリちゃん。何があったか教えてください」
 解放された私が彼女の目をまっすぐに見つめながら訊ねると、ユカリちゃんは目をそらし、自分の身体を抱きしめ、色っぽく顔を赤く染めました。
 そしてただ一言「猫が――」とつぶやき。
「いや、本当に大丈夫だから。……お、おやすみ」
 私の前から、姿を消しました。
「…………猫?」
 いったい何があったのでしょう。とりあえず今の表情に悲愴感は全然ありませんでした。
 なら、ひとまず安心していいでしょう。それに。
「ハアハア……」
 照れる彼女の表情を思い出すだけで、身体が昂ぶってきました。
 しかしいま襲い掛かっては、完全に嫌われてしまう気がします。
 ……昼の生活は充実しましたが、夜の性活はまだ独り。
 美人マスターは、とてもとても寂しいです。まる。




――――
ユカリ関連の話が続いたせいか、以前と少し雰囲気が違うような気が。
バカ話にシリアス要素は不要、ということかもしれません。
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