ネコス11

久々にまともな投下


変身が主になっている短編SSです
後先考えずゆるーい感じで進行しています

ネコス11 ~記憶喪失編

 
 みなさまこんにちは。
 隙間風が差し込む喫茶「ネコス」の美人マスターです。寒いです。
 ここは変身願望を叶えるコーヒーをご提供していますが、さすがにふわふわもこもこの動物さんにはなれません。
 人間は体毛が薄いですからねー。ヒーター? ハロゲン? 何それ、おいしいんですか?
 
「というわけで、コタツから出たくありませーん」
「何がというわけなんだよ」
 居住区のコタツでぬくぬくしている私に、呆れたような声が聞こえてきます。
 というか、実際呆れられているのでしょう。バイト美女のユカリちゃんは、お店の温度もかくやというほどの冷ややかな眼差しで私を見下ろしていました。
 美人の冷めた視線に、私はゾクゾクします。違う意味で。
「やっぱり何しても似合いますねぇ、ユカリちゃんはー」
「いーからコタツから出ろ! 開店しろ!」
「や~だ~、今日は休むぅ~」
「学校行きたくない小学生かお前は! ああもう、コタツん中もぐるな!」
 ユカリちゃんは私をコタツから引き離そうと必死みたいです。
 まったく、自分から働きたいなんて。
 最初はあれだけ恥ずかしがってくれた接客や制服は、いまじゃすっかり慣れっこになっているみたいですねぇ。
 しかぁし、私のような「当然系」のキャラは二人も要らないのです!
 ユカリちゃんには是非、「羞恥系」のキャラを貫いてもらわなくてはいけません!
 もうすでに美人キャラが私とかぶっているのですから、これ以上こっちの立場を危うくしないでもらいたいです。ええ、ほんと。
「ユカリちゃんは、寒くないんですかぁ?」
「ん? ああ、なんか女になってから身体が妙にあったかいんだよな」
「女の子は男よりも脂肪がついていますからねー、寒さに強いんですよー」
 もっとも、個人差程度の違いしかありませんけど。
「ふぅん……」
「なにが「ふぅん」ですか。つまりユカリちゃんは、女の子の身体という恩恵をいままさに体感しているわけです」
「別にいいだろ。いくら否定したって、今の俺は女なんだから」
「くわぁーーーーーっ!」
 女であることを受け入れやがりました! 開き直りやがりました! 当然系だと宣言しやがりました!
 TSという状況を受け入れてしまっては、この娘はTS娘ではなくオレっ娘です!
 美人マスターの私でも、さすがに切れていい一線があると思います。
 ユカリちゃんには、何が何でもTS娘であるという自覚を持ってもらわなくてはなりません!
「お、コタツから出てきた」
「教育です! ユカリちゃんには、教育が必要です!」
「何だよ、何キレてんだよ。起きたんなら、もう店開けるからな」
 いいながら、ユカリちゃんはお店の中に姿を消します。
 …………私、このお店の美人マスターです。
 一番えらいはずなのに、なんで居候の再教育さえ、ままならないのでしょうか。
「くあああああああーーーーー!!」

 ……一方、ユカリは。
 マスターの怪鳥のような奇声を背中に浴びながら、窓ガラス越しにたたずむ一人の男を店の中から盗み見ていた。
「あいつ、今日も来てるよ……」
 毎日のようにこの店にやってくるその男を見かけるたびに、ユカリの胸は落ち着きをなくす。
「俺、もしかしてあいつのこと…………いやいやいやいや!」
 ユカリは頭を左右に振り、とくんとくんと波打つ動悸の名づけを必死に否定した。
「しっかりしろ、俺!」
 自分の頬を両手で叩き、気を引き締める。
 店の内鍵を開錠し、そうしてユカリは自らに生じた気持ちを笑顔で覆い隠し、今日一人目の客を迎え入れた。
「お待たせしました。「ネコス」へようこそっ!」
「や。マスターはいるかい?」
 きらりと白い歯を見せる男の名は、赤井。
 マスターを男と知りつつも口説き続ける、ネコスの常連の一人である。






…記憶喪失編始まってから、微妙なオチがさらに微妙なものになったような気がする……

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

巫

Author:巫

・TS好きのはしくれ
・小説モドキを主に不法投棄します
・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

・当ブログのリンクはご自由にどうぞ
・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
管理者の詳細

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
FC2投票
無料アクセス解析
応援バナー
ちぇ~んじ!~あの娘になってクンクンペロペロ~
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR