あけました

あけました
おめでとうございます

今年もゆるく適当にいきますので、よろしくお願いします
というわけで早速投下

 ネコス12 & ある日の俺と彼女1/1
 
 みなさま明けましておめでとうございます。
 変身愛好者御用達の喫茶店「ネコス」の美人マスターです。
 ネコスは年末年始も休まず開店しておりますが、元旦ぐらいはさすがに閉めるべきだったと後悔しています。
 
 年明け早々、私のお店にやってきたのは普通に可愛い感じの女の子と、なぜか巫女姿の女の子の二人組みでした。
 この二人、席に着くなり大声で妙なことを話し始めます。
「だから、なんで俺は巫女になってんだよ!」
「お願いが叶ったんでしょ? 彼氏が可愛い巫女さんになりますようにって、お参りしたもの」
「いや、朝から俺は巫女だったんだけど!」
「あなたが寝ている間に初詣済ませちゃった♪ てへ」
「彼氏の寝ている隙に一人初詣!? 意味わかんねぇ!」
 ……ああ。私もいますぐ、そこの神社でお参りをしたいものです。
 お願い事は、もちろん、
「マスター? 余所見をしていないで僕を見てほしい。年の初めの今日一日、出来るだけ多く君の瞳に映っていたいんだ」
 カウンターに座る、新年を迎えてもウッッゼェこの常連野郎の駆除です。
 女体化しないわ相変わらずウゼェ口説き方するわで、もう私はお正月からうんざりした気持ちになっています。
「あ、あああ赤井。ちゅ、注文は、いつもので、いい……か?」
「うん、頼むよユカリちゃん」
「う、うんっ」
 ユカリちゃんがオーダーを取っている間も、ウザ野郎は私から視線をそらしません。
 ユカリちゃんもこの男には苦手意識があるのか、いつものクール&ビューティーなTS娘っぷりがみえません。
 この男、「ネコス」の従業員に嫌われていることがどうしてわからないのでしょう。
 あわよくば女体化して私の性奴隷にしてやりたいと思っていた時期もありましたが、なんかもう、存在自体がうざくなりました。
「そうだマスター、どうだい。これから一緒に初詣に行かないか?」
 相変わらず話に脈絡のない男ですねぇとは……すごい言いたいけど、言えません。
 だって悲しいかな、今年も『お客様には愛想よく』が抱負の私です。
「あいにく、お店が忙しくて」
「あそこの二人以外、僕ら三人だけだよ?」
「お、俺は、その、行きたい……な。初詣」
「ユカリちゃんまで?」
 そういえば、この娘、記憶喪失でしたね。
 きっと、気休めとわかっていても、「記憶が戻りますように」と願掛けしたいのでしょう。
「……仕方ありませんねぇ。じゃあ、あちらのお客さんが帰ったら、ちょっとお店を閉めましょう」
「ほ、ホントか」
「美人マスターは嘘つきません」
「うんうん。さすが僕のマスターだ」
 誰がてめぇのですかコノヤロウ。ウザ客にはいますぐ塩まいてお帰り願いたいのですが……。
(まあ、ユカリちゃんの晴れ着姿が見れるきっかけをもらったことだし、ついて来るぐらいは許してやりましょうか)
 そうと決まれば、あそこの女の子達には早めのご退店をお願いしたいのですが、まさか直接それを言うわけにもいきません。
 というわけで、私たちは二人の会話が終わるのを待つしかないわけです。
「これから成人式、豆まき、バレンタイン、卒業式とかをテーマにあなたにはあらゆる方法で女の子になってもらって……」
「やめんか! せめて、もうちょっとイベントは絞れ!」
「でもねぇ。あなたを女体化させないと、私の力が暴走して周りの人間を手当たり次第女の子に……くっ、右腕がうずく!」
「彼女が中二病すぎるっ!!」
 ……改めて聞き入っていると、すごい会話です。
 でもなんでしょう、私、あの女の子とは無二の親友になれそうな気がします。
「騒がしい女の子達だ……気品あふれるマスターを見習ってほしいね」
「あ、赤井は、おとなしい女のほうが好きか?」
「僕が好きなのは、マスターさ」
 こっちには鳥肌全開の言葉を飛ばす変態がいます。ええい、うざい。
 私、この客とは無二の不仲になれそうな気がします。というかなっています。一方的にですが。
「あれ? 力が暴走しない……」
「いい加減、中二病設定はやめぃっ! もう帰るぞ」
「あ、待ってよぉ。……うーん。本当に暴走させようとしたんだけどなぁ」
 巫女の子がお金を払い、親友さんはなぜか納得行かない顔をしてお店を出て行きました。
「ありがとうございました。またどうぞー」
 また会いましょう、親友さん。

* * *

 他力本願上等な無神論者達の列をかいくぐり、私たちは、ようやく賽銭箱の前にたどり着きました。
 隣を見ると、右には途中で偶然合流した妹と彼氏、左にはユカリちゃんとウザ客が目を閉じて両手を合わせています。
 ちなみに私の懐には、神社の境内をうろうろしていた猫の黄吉もいます。危険だったのでとりあえず回収しておきました。
「兄さん? どうかしましたか」
「ああ、いえ。なんでもありませんよー」
 とりあえず手ごろな小銭を投げ入れ、私も今年の抱負を頭に浮かべます。

 喫茶店ネコスは今年も休まず営業しております。
 女の子になりたい神様は、是非当店のTSブレンドをどうぞ。

 ……よーするに商売繁盛です。世俗にまみれた、そんな私はネコスの美人マスター。
 記憶喪失の美人ウエイトレスと一緒に、今年もあなたを笑顔でお迎えいたします。
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Author:巫

・TS好きのはしくれ
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・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

・当ブログのリンクはご自由にどうぞ
・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
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