ある日の俺と彼女 3/14

大きな地震がありましたが、当方無事なので通常運行します


自分の彼氏をあらゆる方法でTSさせる彼女
そんな二人のぐだぐだした会話が書いてあります

本日ホワイトデーですがテーマは実質、地震になっています。
能天気なノリなので「空気嫁や」というまじめな方は読むのをお控えください


ある日の俺と彼女 3/14


「今日はホワイトデーです」
「うん、そんな場合じゃないけどな」

 腐海と化した彼女の部屋を掃除しながら、俺はこの部屋に呼ばれた経緯を振り返ってみた。
 つい先日の、大きな地震は記憶に新しい。
 幸い被災地からは離れた地方住民だった俺の被害といえば、家具その他がいくつか落ちてきた程度で済んだ。
 もともと俺の部屋にはあまり物を置いていなかったので、一時間もかからず元の状態に戻せた。
 が、彼女の方はそうは行かなかったらしい。
「去年の年末並み……それ以上か」
「そだね。新刊買った分だけ増えているし」
「少しは捨てろよ」
「……あなたは日本全国一億人の同人作家を敵に回したわ」
「日本人口の九割!?」
「いい? この本はね、作者の情熱とエロ心と野心に満ち満ちた、『欲望の書』よ!」
「魔法陣が載っていそうなネーミングだな!」
「それをあろうことか、捨てる? ハッ! だからあなたはアホだというのだ!」
「相変わらずむちゃくちゃな理論だぜマイ彼女!」
「ちなみに、表紙だけ頑張って中身スカスカのハズレは焚き火の燃料にジョブチェンジよ」
「捨てるより外道だ!」
「というわけで、白い日の三倍返しはアタリ同人誌がいいです」
「話の流れがつながってるようでつながってない!」
 それと、さっきそんな場合じゃないっていったよな、俺!
「あちこち地震で大変だろ。そんなときにホワイトデーだ何だと浮かれて…」
「こんなときだからよ。暗いニュース見て暗い気持ちでぐちゃぐちゃな部屋を片付けてで今日という日が終わるなんて、そんなの私が許しません」
「お前の許しは絶対に必要ないと思う」
 あと、部屋がぐちゃぐちゃなのは普段から掃除をしていないせいも大いにあるはずだ。
「まぁ、暗い雰囲気だからって、こっちもそれに合わせて暗くしてたらきりがないのはわかるが」
 彼女の言うとおり、不幸せなスパイラルはどっかで明るくして断ち切るべきだろう。
 たとえ、それが現実逃避といわれようと。
「でも、同人誌は却下な」
「……じゃあ、白いの私にかける?」
「白いのが何を示しているのか非常に気になるが、その話はどっかよそにやっとけ」
「いつもの三倍あなたは白いのを出し……そう、それが男としての最後の射せ」
「そのオチは半分以上見抜いていたけどな。実際聞かされると三倍やるせないな」
 あと、エロネタは控えろマイ彼女。反応に困る。
「もー、じゃあ何をくれるのよ。私、ちゃんとチョコあげたじゃない」
「あれを『ちゃんと』って言えるお前の大胆さに改めて惚れる」
「彼氏がデレた!」
「デレてねぇよ! 皮肉だよ! イヤミだよ!」
「あんなに激しく私を貪り食ったのに……うう」
「そのあと一週間ぐらい俺の意識戻らなかったけどな!」
「うん。あれは私も予想外だった。いやぁ、どうなることかと」
 からからと、まるで全然たいしたことなかったような口ぶりで彼女が笑う。
 いつもなら俺もため息の一つでもついて別の話にシフトするところだが、今回はちょっと、タイミングが悪かった。
「お前とは一度、本気で命の何たるかを語り合う必要があるような気がするよ」
 と、ガラにもなくまじめな口調で彼女を見つめる。
「ん……大丈夫。あなたは死なない。私が守るから」
「その、自己犠牲するつもり百パーな台詞はやめろ」
「たとえ身体が重体でも、あなたは私の身体に宿り生き続ける!」
「俺、女として生きていたくねぇよ!?」
「たとえ津波が来ても、あなたは人魚ちゃんになって波乗りレッツゴー!」
「人魚はそこまで海に強くないと思う!」
「つまりあなたは死なない! 私が女体化させてでも守るから!」
「自己犠牲台詞とみせかけて自分の欲望満たしたいだけだろ、お前!」
 つーか、なんでまた話が脱線しているんだ?
 恐るべしマイ彼女。
「まぁ、そんな話はともかく、ちゃきちゃき片付けてよー」
「ここお前の部屋だよな!? なんで俺に任せっきりだよ!」
「部屋掃除を許せる彼氏彼女の関係って、深い愛を感じるよね」
「できればもっと別の方法で感じたいなぁ!」
「ごろごろしている私の前で一生懸命に部屋を片付けるあなたを愛しているわ、ダーリン」
「帰っていいか。ってか帰らせろぉ!」
 今日の彼女はいつも以上に飛ばしている。
 まあ、でも仕方ない。ツッコミ連発で疲れるが、今ぐらいは大目に見てやるとしよう。
「ん?」
「あぅ……」
 また、ぐらりときた。
 大地震の影響か、一日に何度もこうした揺れを感じている。
 というか、ここまで断続的に続く余震は初めての経験だ。
「ね、ねぇ」
「うん?」
「手……つないでて」
「……了解、マイハニー」
 俺と彼女の指が絡まり、お互いの手を取る。
 彼女は地震が苦手らしく、余震が来るたびに、俺がこうして手を握ってあげていた。
 揺れている間はさすがの彼女もしおらしくなり、さっきまでのような軽口も一切出てこない。
「ありがと…………ごめんね」
「いんや」
「今日も、一緒にいてくれるよね?」
「いいともー」
「ん。…………じゃあ、もう、ホワイトデーはこれでいいや」

 こんな感じで、俺たちのホワイトデーは昨日と同じように一緒に過ごして終わっていく。
 ……ただまぁ。
「余震とかけまして、車内の読書とときます」
「その心は?」
「どちらも、気持ちが悪くなります」
 揺れがおさまった直後のテンションは、正直、扱いづらい。







読んで、軽い気持ちになっていただければ幸いです

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