ある日の俺と彼女 4/29 むしろGW編

自分の彼氏を、あらゆる理由付けでTSさせる彼女
そんなバカップルのゆるい会話シリーズです

ある日の俺と彼女 4/29

「いえーい! 今日から一週間、女の子になるのよーっ!」
 やすやすと浮かれられない状況とはいえ、やはり大型連休というものは心が躍るのだろう。
 世間もGWムード一色になっているのに乗じてか、いつも以上にテンションの高い彼女が俺の部屋に入るなりそう叫んだ。

「……意味がわからん」
 彼女の意味不明発言はいまさらだが、それでも唐突過ぎる。いままでは多少強引とはいえ伏線があったんだが……。
「え? だって、GWって、ガールズ・ウィークでしょ?」
「初めて聞いた訳し方だ!」
「というわけで、あなたは有無をいわざず女の子になって一週間を過ごすのよ」
「いやいやいや! 連休中ずっと女のままって、どんな拷問だよ!?」
「むしろご褒美じゃないの? 休みの間、ずっと彼女とくんずほぐれつよ?」
「ただれた生活しか予定にないのかっ!」
「ふふっ、くんずほぐれつ=エロイっていうあなたの発想が好きよ」
 *くんずほぐれつ【組んず解れつ】
 *組み合ったり離れたりしてはげしく動きまわるさま。(広辞苑より)
「くっ……い、いいじゃないか。若い証拠だ!」
「あ、開き直った」
「と、とにかく、そんな疲れそうな日々を過ごしたくないんだが」
「いいじゃない。若いんだから」
 そんなこといいながら、ニヤニヤと彼女は笑っている。
 なんか、今日はいつも以上に手のひらで踊らされている気がするな、畜生。
「ってか、予定はないのか?」
「うん? あなたと一緒に過ごすつもりだけど」
「…………」
 さらりと言われたけど。
 不意打ちでデレられた……んだよな、いま。
「? なに赤くなってるの?」
 デレている自覚なしか!
「ああ、いや……」
「そういうあなた方こそ、予定はー? サプライズでラブラブ旅行とか計画してないの?」
「当然のように自分が誘われること前提なんだな」
 まぁ、その通りだけど。
 とはいえ旅行するほどの余裕は財布になく、事実上、俺も彼女と過ごす以外に予定らしい予定は立てていない。
「ふーん。実のない一週間になりそうだねー」
「はは、悪いな」
「んーん、いいんだけどね」
 ゆっくりと首を左右に揺らし、彼女はテーブルの上に置いてある柏餅に手を伸ばした。
「でも実際どーしようか。冗談のつもりだったけど、やっぱり女の子になっとく?」
「俺の拒否は冗談じゃないんだが」
「そかー」
 などといい、彼女は柏餅の葉っぱをめくり、もむもむと大福をほおばる。
「こーゆーときってさー。福引とかで偶然ペア旅行チケットが手に入るっていうのがお約束だよねー」
「ま、現実はこんなもんだろ」
 などと相槌を打ちながら、俺も柏餅に手を伸ばす。
 今日は、何事もなくまったりと過ごせそうだ。

 ― ― ― ―

「……甘かった」
 前にも言ったと思うが、俺は、夢オチというものが大嫌いだ。
 特にいまのような、なんでもない平和な時間が夢だった、なんてオチを食らった日には、最悪の寝起きになることは間違いない。
 というか、実際、現在進行形で気分は最悪だ。
 いや、まぁそもそも、最初にちょっと違和感があったんだけどな。
 今日からGWが始まるってのに、事後承諾で俺を女にしようとしたところとか。
「現実は、問答無用か」
 下を向けば、豊かに盛り上がった胸が視界に飛び込む。
 首の後ろに手をやれば、ボリュームが急増した髪が、指と指の間をさらりと流れる。
 絵に描いたような、「朝起きたら女の子になってました」パターンだ。
 そして現状確認が終わるなり聞こえる、インターホンの音と、彼女の声。
「いえーい! 今日から一週間、女の子として過ごすのよーっ!」
「ガールズ・ウィークだもんなぁっ、畜生ぉぉぉぉっ!!」
 ……なんか、頭痛の絶えない一週間になりそうだ。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

巫

Author:巫

・TS好きのはしくれ
・小説モドキを主に不法投棄します
・えろいといえなくもない表現を時々するため、10代前半以下の方の閲覧はお勧めしません

・当ブログのリンクはご自由にどうぞ
・ぬるい目で見守っていただければ重畳
・……上記のように妙な言い回しをする悪癖あり

・モドキとはいえ小説を公に無断転載してはいけません 常考
管理者の詳細

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
FC2投票
無料アクセス解析
応援バナー
ちぇ~んじ!~あの娘になってクンクンペロペロ~
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR